なぜ若い人はすぐに仕事を辞めるのか


「新入社員が定着しない」「若い人はすぐに辞めていく」といった声は割と聞かれます。今と昔での定着率がどう推移しているのか正確なところはわかりませんが、しかし、「若い人はすぐに辞める」というイメージがあるのは事実でしょう。ではなぜそうなっているのでしょうか。

若者が辞めるのは情報が揃っているから

これは本当に単純な話で、単に、昔以上に退職や転職に関する情報を簡単に手に入れることができるからです。もっと端的に言えばスマホがあるからです。5分もあれば転職サイトで求人を見つけることができますし、少し時間をかければ、わざわざご丁寧に自分の性格を分析してそれに合った職業や求人を紹介してくれます。自分で探す必要すらないのです。仕事で失敗し、「自分にはこの仕事合ってないなぁ」と思えば自然に情報が入ってくるのですから、辞めるという選択肢が出てくるのも当然でしょう。

それなりに社会人経験のある人の中には、「若い内から、自分にはこの合ってないなぁ、と感じることがそもそもおかしい」と感じる人もいるはずです。そういう人にはぜひとも自分が入社して間もない頃を思い出してみてください。仕事で失敗して落ち込んで、先輩から飲みにつれていかれて、「まあまあ、誰でも最初は失敗するって」みたいに慰められて、会社を続けた経験があるのではないでしょうか。

誰でも最初は辞めたいのです。昔と今の違いは、辞めたいと思った時に、それに関する情報にアクセスできるかどうかにあります。昔は辞めたいと思ってもそれに関する情報がなくて、やりたくてもやれなかったのに対し、今は情報があるのでやろうと思えばやれるわけです。ただそれだけのことです。なので、今の若い人が昔の若い人よりも根性がないというわけではありません。「若い人はすぐに辞める」と言っている人が今の時代に若手であったならば、おそらく同じことをするでしょう。

会社にしがみつく人たち

「若い人が辞めていく」と言われる一方で、年配の方の中には会社にしがみついているような人も一定数います。大衆向けの雑誌などでは「無能オヤジ」なんて言われてもいる存在です(オヤジはキレた方がいいのではないでしょうか?)。

勤続年数がそれなりにある人が辞めないのはある意味では当然でしょう。社内のことについてはそれなりに精通していますし、仕事の要領もわかっていればそれなりに楽に稼げるものです。後輩に対して大きな態度が取れる状態ならば気分も良いかもしれません。

しかし、誰もが典型的な出世を歩めるわけではなく、また自分の能力の限界などが見えてくれば、そして他に行くところもないのであれば、自分が作り上げた城をいかに守るかに考え方がシフトします。守りは良くて現状維持なので、徐々に崩壊する城を見るだけの状態は相当なストレスでしょう。

こういう人にこそ情報は与えられるべきなのかもしれません。いや、逆にその情報の重要性を知っているがゆえに、自由に動ける若者は羨ましいのでしょう。「若者はすぐに辞めていく」というイメージは願望の投影なのではないでしょうか。

まとめ

自分に合った仕事、より正確に言えば自分に合った職場を見つけるのは極めて困難です。何か気に食わないことがあったからといってすぐに辞めてしまうのは問題ですが、逆に合わないことに気付かず(あるいは無視して)1つの職場に固執するのも問題です。情報との適切な距離感を考えなければなりません。