着物あるある!紬(つむぎ)と絣(かすり)の違いとは?

着物初心者がよく疑問に感じるものとして「紬と絣の違いってなに?」というものがあります。一見、難しく思えますが、実は非常に簡単です。

紬と絣の違い

少々語弊のある表現ですが、紬と絣の違いを簡単に言うと、紬は生地であり絣は柄です。基本的にはこれだけです。簡単ですね。

  • 紬は生地
  • 絣は柄

なぜ紬と絣は混同されるのか

絣をより厳密に言うと、織の着物(先染めの着物)に柄を出す技術のことであり、具体的には絣糸を指します。絣糸は織の着物の柄を出すために不可欠で、逆に言えば、柄のある織の着物はすべて絣糸が使われています。紬は言うまでもなく織の着物です。そのため、柄の入っている紬には絣糸が使われています。

絣は、柄を出すための絣糸、絣糸によって作られた柄のことです。しかし、これが転じて絣が使われている織の着物そのものを絣と呼ぶようにもなりました。そのため、柄の入っている紬のことを絣と呼ぶことがあります。その意味で紬と絣は同義です。

ここに紬と絣が混同される原因があるのでしょう。元々は紬と絣は別もので、徐々に同じような意味で使われるようになりました。しかし、これから着物を始めようとする人は、紬と絣が同じ意味で使われていることにいきなり直面します。紬と絣が同じ意味で使われるようになるまでの過程を知らないのですから、混同してしまうのも無理はありません。

商品名の紬と絣の違いは?

紬と絣が同じ意味で使われているのであれば、着物のラベルに記載されている紬と絣は一体なにが違うのでしょうか。結論から言うと、名前が違う、ということになります。名前が違うだけであり、商品そのものにさほど違いはありません(もちろん、商品の質は個別に判断する必要があります)。

また、作家によっては、制作した際の気持ちの入れようなどで紬と絣を使い分けることもあります。例えば、生地に力を入れて制作されたものは「紬」として売り出され、生地ではなく模様に力を入れて制作されたものは「絣」として売り出す、というような感じです。

しかし、名前の付け方は作家によって異なるため、この限りではありません。あくまでも、そのような意味合いを持たせている作家もいる、ということです。

絣に関するよくある誤解

着物の販売員でも間違った理解をしていることがあります。間違ってしまいがちな点をいくつか紹介します。

「かすれたような柄=絣」ではない

絣のことを「かすれたような柄(ドット絵のような柄)」だと認識している人が少なからずいます。もちろんそれも絣ですが、絣は絣糸が使われている着物すべてが対象です。つまり、「かすれたような柄=絣」ではなく、かすれたような柄は絣の一部でしかありません。

絣は紬だけではない

柄の入っている織の着物は、紬だけではありません。木綿や麻も織の着物です。そのため、木綿の絣や麻の絣もあります。

(このように説明すると、「それじゃあ、木綿と絣の違いはなに?麻と絣は?」と疑問を持つ人がいるかもしれません。これは紬と同じで、木綿や麻は生地であり、絣は柄です。おそらく、このような疑問を持つ人は、着物の生地に対する理解が不十分だと思われます。ちなみに、着物の生地には、縮緬、紬、木綿、麻、ポリエステルなどがあります)

後染めの紬は絣ではない

この記事では柄の入った紬は絣だと紹介しました。しかし、後染めの紬に関しては絣とは言いません。なぜなら、絣糸を使用していないからです。

紬は、そのほとんどが絣糸を使用した先染めですが、中には後染めのものもあります。紬を後染めにする場合は、柄の入っていない真っ白な糸で作られた、真っ白の生地を制作し、その生地に後から染める形になります。真っ白な糸は絣糸ではないので、後染めの紬は絣ではありません。

まとめ

基本的には、「紬は生地」「絣は柄」です。しかし、同じような意味で使われることが多く、さらにどちらでも使えてしまう場面が少なくありません。そのため、紬と絣の違いはそれほど気にしなくても大丈夫です。