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宗教に関連する仕事・職業


以前、大学で宗教学を専攻した際の就職先はどんな感じ?という記事を書きました。そこでは、宗教学を専攻しても就職先は他の学部学科と変わらず、むしろ宗教系の仕事に就くほうが大変だとまとめています。しかし、宗教に関連する仕事に就きたいという方もいるようなので、どういう仕事があるのか、思いつく限り書いてみます。

ただし、宗教の定義やどの程度の関連性までを含めるかでかなり変わってきますので、かなりざっくりと書きます。

宗教指導者

宗教指導者という言い方が正しいかはわかりませんが、ここで言いたいのは、僧侶や司祭・牧師、神職といったものです。

これらになるためには、伝統宗教の場合は、たいてい、大学に行って免許を取得する必要があります。例えば、浄土真宗なら龍谷、曹洞宗なら駒沢大学です。カトリックは上智大学ですし、プロテスタントなら同志社(日本基督教団、会衆派)や関西学院(日本基督教団、メソヂスト)、西南学院(バプテスト)などがありますね。神道だと國學院と皇學館があります。

正直なところ、学部を卒業するだけの人は少なくて、その後に大学院へ進学するか別の養成学校に行くことが多いです。単立であれば免許なんてものはもちろんなく、自分で起こせばいいのですけども、それでも何かしら勉強している人は多いです。そうしないと信者もついてきません。

また、免許を取ったあとについても注意が必要です。カトリックやプロテスタントの日本基督教団のように人事がある場合は職場が割り振られるのですが、人事が整っていないところでは自分で職場を見つける必要があります。これは宗教や宗派・教派によって事情が異なるので調べた方がよいでしょう。

そして、占い師とかスピリチュアル・カウンセラー的なのもここに入るかと思います。この場合は大学でガチガチの学術を修める必要はありません。ですが、たいていこういうのにも何かしらの学校や資格があるので、そのへんはやっておいたほうがいいかもしれません。占いなんかは教材が豊富ですね、学校もあったと思います。

教団運営

教団の事務や広報などです。普通は教団内部の人に任せます。一般から募集するということはあまりありません。たいていは教団内部の信者みんなで協力してやっていくような感じになるでしょうから、仕事と言えるか怪しいところもあります。給与を出して雇っているところはかなり大規模な教団に限られるので、数は多くありません。

また、後述しますが、教団運営に関して専門的な知識が求められるものに関しては士業に依頼することもあります。

教育者

中学・高校における宗教科の先生や大学教員などがこれに当たります。宗教科の教員免許を取得するためには、大学で宗教学であったり、個別の宗教に関する学問(仏教学とか神学とか。上に紹介した大学などでできます)を専攻しなければなりません。

大学教員の場合も、言うまでもないですが、大学院の博士課程まで行って学位を取る必要があります。しかし、学位を取れば大学教員になれるというわけではありません。大学のポストがないにもかかわらず、政策によって院生の数を増やしたので、院生の就職先がない状態になってしまいました。しかも、宗教学に関しては日本では極めてマイナーで、専任教員になるのはかなり難しいです。国際文化学部とかグローバル〇〇学部とかまで視野を広げることも可能でしょうけども、それでも難しいことに変わりはありません。 

士業

これはあまりイメージがわかないのではないかと思われるので少し説明します。ここでの士業はいわゆる7士業に限らず、かなり大きく捉えています。また、士業の業務は幅広く、必ずしも宗教に直結するわけではありません。しかし、士業では普通、何かしらの専門分野に特化するのですが、その点において宗教分野に関わることは十分に可能です。ただ、あまりメジャーではないのと、士業の性質からして独立開業することになるので、ちょっと特殊な働き方になるかと思います。ちなみに、士業は資格が必要です。どれも難易度が高く、さらには受験資格が設けられているものもあります。

もう少し具体的に士業と宗教の関係について説明してみます。

弁護士

言うまでもなく宗教には宗教法人がありますが、この内部においてしばしば問題が起こります。たとえば、後継者を誰にするか、財産の管理を誰がするのか、などです。宗教教義に関する問題に司法は介入できないことになっているのですが、こういった教団の運営・経営に関するところには関わることができますので、弁護士も活躍できます。

それ以外ではカルト関係が多いです。カルト教団から脱退させるとかですね。

行政書士・司法書士

こちらも主に宗教法人に関することですが、こちらは弁護士のような紛争ではなく(これをやったら非弁行為になるのでダメですよ)、宗教法人の設立や名義変更といったものを扱います。

また、宗教法人には保育園や介護施設などの付帯施設を有しているところが珍しくないのですが、こういったところにも法人設立や名義変更といった点で関わることになります。

あるいは、信仰に基づいてNPO法人などを立ち上げて活動したいという人もいるので、そういったことを手助けすることもできるでしょう(これはあまり宗教は関係ないかもしれませんが)。

公認会計士・税理士

よく知られていることではありますが、宗教法人の場合は税制が異なってきます。なので、宗教法人に詳しい会計士や税理士は重宝されます。単にお金の計算をするだけでなく、経営に関する問題のコンサルなどもできるでしょうから、教団の抱える深い問題にまで関われるかもしれません。

臨床心理士・公認心理師

臨床心理士と公認心理師の棲み分けが未だ十分ではなく、今後どうなっていくのか注目されるところですが、要は心理的なところに関する仕事です。

大きく2つに分かれるでしょう。1つは宗教指導者(上に書いたやつです)のケアです。これはあまり表面化していないのですが、宗教指導者が鬱になったり、最悪の場合は自死に至ってしまったりすることがあります。これは本当に宗教界の重大な課題なのですが、宗教を専門に扱える心理士/師が少ないため、十分に対応しきれていません。今後重要性が増していくと思われます。

もう一つはカルト問題です。これは弁護士と連携して行う傾向があります。

その他

書くとキリがないのでやめておきますが、他にも土地関係とか色々あります。

職人

少しざっくりとし過ぎているかもしれませんが…。たとえば、仏像彫刻師(仏師)、仏具の制作、お寺の建築、神社仏閣の木の剪定、鳥居の制作、お香の生産、神社に奉納する和菓子や日本酒の生産、などなどです。

これは就職するというよりかは弟子入りするような形になる傾向があります。比較的経営状態のいい企業であれば、技術の有無に関係なく新卒採用をしているところもありますが、多くは経営がキツキツで余裕がありません。

可能であれば大学などで関連する分野を専攻しておくのが望ましいと思われます。たとえば、仏師になりたいなら芸大で彫刻を専攻するなどです。これは技術を身につけるだけでなく、人脈や情報を得るためにも役に立ちます。職人の世界の情報を得るのは難しいので、使えるものはどんどん使いましょう。

冠婚葬祭

端的に言って葬儀屋です。「葬」以外は、ほとんど宗教色がないか、仕事として成り立たないか、宗教指導者の範疇に入るかなので、あまりないのが実情ではないかなと感じます。

葬儀屋は自分で作るというのは無理なので、就職することになります。普通のルートとしては、大学を出て新卒で就職するか、専門学校で葬儀を学んで就職するか、あたりでしょう。

まとめ

ざっくりとですが、宗教に関係する仕事をあげてみました。宗教をどう定義するか、またどの程度の関連までを考えるかでかなり変わってきます。ここには書きませんでしたが、観光業とかも一応は宗教に関わりますので、難しいところです。

それから、注意しておきたいのは、ここで取り上げた仕事・職業に関しても、宗教だけに関わっていればよいというものはないことです。宗教指導者であっても経営や政治に携わる必要があります。教育者であれば授業だけでなく学校運営もやらなければなりません。純粋に宗教だけという仕事はたぶんないと思われます。

ある意味で、宗教に関わることなく、信仰に基づいて世俗的な仕事をしたほうが(たとえば隣人愛の実践として福祉や医療に携わるなど)かえって宗教的な生活を送れるかもしれません。