ロセッティの特徴と代表的な絵画作品


ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ

ロセッティ(1828−1882年)はラファエル前派を代表するイギリスの画家です。彼は画家というよりも不倫の方で有名だったりもするのですが、ここでは扱わないことにしましょう。

ロセッティの父であるガブリエーレは優れた詩人で、キングス・カレッジのイタリア語教授も務めた人物です。そのため、ロセッティは幼い頃から教育に恵まれ、わずか5歳にして詩を書くほどでした。絵画の方はまずまずの成績だったようですが、本人は絵画に熱中しており、父親もそれを応援しています。1846年には名門のロイヤル・アカデミー美術学校に入学しました。

そして、このロイヤル・アカデミーでミレイとホルマン・ハントに出会い、ラファエル前派を結成することになります。ラファエル前派とは、ざっくり言ってしまうと、古典とおさらばしよう!という運動のことです。当時、ラファエロの影響が絶大で、ロイヤル・アカデミーでもラファエロを学びました。ところが、ロセッティたちは、そんな古臭いことはやってられない、もっと自由に描きたい、ということで、ラファエロより前の世代(以後の世代はずっとラファエロの影響下にあったので、それから離れるためには前に戻る必要がある)の様式を追求していきます。ロセッティの功績はこのラファエル前派での活動にあると言ってよいでしょう。

しかしながら、リーダーであるミレイの一貫しない言動や、不倫などによって、ラファエル前派は内部分裂してしまいました。その影響があるのか定かではありませんが、ロセッティは54歳の若さで亡くなっています。

ロセッティの代表作

『ベアータ・ベアトリクス』

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ロセッティの作品の中で、色々な意味で有名なもの。モデルはロセッティの奥さんであるエリザベスです。このエリザベスが亡くなったことをきっかけに描かれました。この死因がなんとも言えないのですけども、ロセッティが不倫をしたために、そのストレスからいろいろとあったようです。

『見よ、我は主のはした女なり(受胎告知)』

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受胎告知とは、聖母マリアがイエス・キリストを身ごもったことを、大天使ガブリエルが伝える場面のことをいいます。西洋ではキリスト教の影響が非常に強く、西洋絵画の多くはキリスト教関連のものです。通常、受胎告知(に限らずキリスト教関係のものはそうなのですが)はかなり厳かな形で描かれます(受胎告知に関する絵画を集めてみた - nancolu)。しかし、ロセッティは、日常的な風景として受胎告知を描きました。かなり独特な作風になっており、興味深いですね。

『レディ・リリス』

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こちらもキリスト教(というか聖書)から。アダムとエヴァの物語が記されている創世記は誰もが知るところでしょう。アダムは神によってつくられた最初の人間で、エヴァはその妻です。しかし、聖書をよく読んでみると、人類の誕生が2度書かれており、それに従うならば、アダムの最初の妻はエヴァではないということになってしまうのです。では、最初の妻は誰だったのかが問題となるのですが、それがこのリリス。キリスト教的に言えば、リリスは正当な教義ではないものの、それなりに影響力を持ち、いろいろな物語に登場しています。日本ではアニメ「エヴァンゲリオン」が有名でしょう。

『プロセルピナ』

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プロセルピナとは、ギリシア・ローマ神話に登場する女神で、ちょっとこじれた恋愛関係を持っています。ロセッティもいろいろとありましたから、それと重なっているのかもしれませんね。これを描いた当時のロセッティは精神的にも不安定だったそうです。

『デイ・ドリーム』

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