学歴ロンダで大学院に行くのはアリ?就職はどうなる?

学歴ロンダとは

偏差値が低い大学の学部から、偏差値が高い大学の研究科(大学院)に進学することを、ここでは学歴ロンダということにします。たとえば、日東駒専のような大学の学部から、東京大学の大学院に進学するようなものです。

大学院にはそもそも偏差値がありません(学部でも、偏差値を使うのは、日本と韓国だけであり、そもそもそんなに信頼できる指標ではないのですが)。一般的に、学歴ロンダというと、学部での偏差値を無条件で大学院に当てはめて考えるようで、おかしなところがあります。また、本来の学歴(学校歴ではなく)を考えるならば、学部から大学院に進学するのは、ロンダリングでもなんでもありません。

そういうわけで、学歴ロンダは、よくわからないものであるのですが、この言葉が使われる背景には、日本における大学に対する雰囲気が反映されているのであり、そこらへんの事情はわからないでもないです。

とりあえず、一般的な意味での学歴ロンダについて考えてみます。

学歴ロンダは可能

たとえどれほどバカと言われるような大学に在学または卒業していても、東京大学をはじめとする有名大学の大学院に進学することは可能です。

大学院への出願は、たいていの場合、学部を卒業または卒業見込みが条件になっています。ここに大学の名前は関係ありません。出身大学や出身学部を指定していることもあるのですが、それは極めて稀ですし、そういう場合には必ず募集要項に記載があります。記載がない場合は、どこの大学を出ていようが問題ありません。

そして、言うまでもないことですが、入学試験を受験して、合格をすれば、入学することができます。

Fランだから東大の大学院に行くのは無理だよな、みたいなことを考える必要はまったくないです。外部からの出願でも問題ありません。進学したいのであれば受験しましょう。

Fランから有名大学大学院に進学するには?

繰り返しになりますが、入試に合格すれば進学できます。それ以外に条件はありません。

問題は、その入試です。研究科によって異なりますが、オーソドックスな試験の内容は、文系であれば、外国語(主に英語)、専門に関する論文、面接の3つです。理系であれば、ここに数学が加わります。基本的にはこれだけであり、学部入試と比較すれば、求められる知識量はそれほど多くありません。そして、このような入試のラクさが、学歴ロンダと言われるゆえんであると思われます。

実際、大学院入試はそれほど難しくありません。英語に関しては学部入試と大差はありませんし、専門に論文も学部で学ぶ基礎を固めておけば十分解けるものですし、面接も論文が書けるのならば特に問題にはならないでしょう。さらに、大学院はそもそも志願者が少ないため、競争によって不合格になることは稀で、合格最低基準を超えていれば合格できます。そのため、学部でしっかりと勉強していれば問題ありません。

中にはこのような疑問を持つ人もいるようです。つまり、Fラン大学の授業はレベルが低いから、有名大学の院試には対応できないのではないか、という疑問です。これはまったくの誤解で、Fラン大学でも旧帝大でも、授業のレベルはそれほど変わりません。もちろん、教員の専門分野が異なるために、授業内容が異なることはあるでしょう。しかし、Fラン大学の教員であっても、研究者ですから、その専門分野に関してはプロです。なので、Fラン大学であっても授業をしっかりと聞くことが大切です。そして、図書館に行って本を読み、自分の頭で考えることです。この習慣を早い時期からもつことができれば、実力は上がっていくでしょう。院試にも対応できるはずです。

院試対策として、付け加えるならば、志望する大学院の情報を仕入れることです。院試は教授の個人的な趣味や都合で作られることが珍しくありません。たとえば、この分野が好きだからここから出そうとか、試験問題を作るのが面倒だから授業レジュメから出題しようとか、そういったものです。そういうわけで、よく言われるように、内部生が有利になる傾向があります。内部生が有利になるのは、有名大学だから頭が良くて院試でも成果が出やすいという意味ではなく、単に教授との距離が近くて情報が得やすいという意味です。しかし、教授とのコンタクトは外部生でもできますから、積極的にアプローチすればよいでしょう(研究室訪問など)。

大学院生活はどんな感じ?

学歴ロンダを目的としていると、他の院生もそうなのかな、と勝手に思ってしまうようです。しかし、院生全体で考えると、学歴ロンダを目的として院進する人は圧倒的にマイノリティで、大部分は自分がやりたい研究のために進学します。

言うまでもないことですが、大学院は研究をするところです。そして、研究とは、まだ人類が知らないことを明らかにすることをいいます。勉強は教科書に書いてあることを自分の頭に入れるだけでよく、楽なのですが、研究は自分で方向性を決めて、試行錯誤しながら成果を出していくものです。

そのため、自分の中に「これをしたい!」という明確なものがないと、研究生活では苦労することになると思われます。周囲との温度差に戸惑うことになるでしょう。実際、研究がうまくいかず、中退する人も珍しくありません。

また、学歴ロンダで院進すると、たいていの場合、2~3か月程度で慣れると言われています。つまり、「合格して有名大学に来たけど、思ってたほどでもないなぁ」みたいな感じです。しかし、これは、学歴コンプレックスが解消できたとも受け取れるので、それはそれでいいのかもしれません。

とにかく、学歴ロンダで進学するにしても、一応は自分の中で、やりたいことを持っておいた方がいいように思われます。その意味では、学部と専攻を変えて、自分が本当にやりたいことに挑戦してみるのもいいかもしれませんね。

ちなみに、就活をする場合は、かなり忙しくなるので、その点は覚悟しておいた方がいいです。1年目は授業が多く、1年目の後半から就活が始まり、そして2年目は修論の執筆と就活を並行してすることになります。時間はありません。

就職はできる?

理系はともかく、文系大学院に進学すると就職できないと言われることがあります。実際には、文系大学院を出ていても就職は可能です。むしろ、就職していく人が多い傾向にあります(研究者になる人はほんの一握りです)。

また、就職する際に、学部の大学名と大学院の大学名、どちらが優先されるのかという問題についてですが、何とも言えません。基本的には最終学歴、つまり大学院の方が優先されますが、面接においては、「なぜ○○大学から××大学大学院に進学されたのですか?」といった質問は当然予測されます。面接官に「ありそうだな」と思わせるような答えは用意しておく必要があるでしょう。

なお、有名大学大学院出身だからといって、就職が有利になる、ということはあまり考えない方がいいです。新卒で就活をするのであれば、他の就活生と同じように限られた内定を奪い合うことになります。採用されるのは、面接官から「利益になりそうだ」と思われる人間であり、有名大学大学院卒が利益に結びつくかどうかは本人次第です。

まとめ

いわゆるFラン大学と呼ばれるような大学卒でも、有名大学の大学院に入ることはできます。しかし、大学院はあくまでも研究をするところであり、研究成果を出さなければ修了できません。なので、研究に対する意欲がなければ、大学院生活はなかなか難しいものがあります。学歴ロンダは可能ですが、それだけでの院進はあまり好ましいものではないでしょう。就職に関しても、特に有利になるということはなく、他の就活生と同様に競争することになります。