美術史「新古典主義」をわかりやすく


新古典主義の特徴

フランスではロココ美術が流行していましたが、時代と共に「ロココは軽すぎるでしょ」という批判が強くなり、もう一度古典を重視しようという考えが出てきます。また当時たまたま古代遺跡の発見が重なり、古代ローマ・ギリシアへの人気が高まりました。このような流れから新古典主義が生まれます。

特徴としては、形式美や統一性といった要素を重視した格調高い作品が多いです。題材としても、ソクラテスやブルートゥスなどが好まれました。またこの時代はちょうどナポレオンの時代でもあるのですが、英雄的な題材も人気がありました。

新古典主義の代表作

ダヴィッド『ブルートゥス邸に息子たちの遺骸を運ぶ刑吏たち』

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「ブルータスお前もか」で有名なあのブルータスですね。王政復古を考えていた自分たちの息子を、なんと自ら処刑するという場面が描かれています。右側には母や他の子どもたちが悲しんでおり、それに対比する形で左側に険しい表情のブルータスが配置されている構図です。このような対比は新古典主義によく見られます。

ダヴィッド『ソクラテスの死』

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これは古代ギリシアの哲学者ソクラテスの死ぬ瞬間を描いた作品です。ソクラテスは正義に基づいて死を選んだわけですが、それが英雄的な発想につながります。またこの作品では男性ばかり描かれていますが、これも新古典主義の特徴です。ロココでは女性的だったのに対し、新古典主義では男性的になっています。

ダヴィッド『ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト』

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本作は歴史の教科書にもよく登場しますが、ナポレオンを描いています。英雄としてのナポレオンというのが新古典主義と上手く結びついています。もちろんナポレオンのプロパガンダなんですが。

アングル『レオナルド・ダ・ヴィンチの死』

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ルネサンス期に活躍したレオナルド・ダ・ヴィンチの死ぬ瞬間を描いた作品。中央左で白いひげを生やし、横になっているのが彼です。その右の男性は当時のフランス国王フランソワ1世。このような場面は史実ではないものの、二人の関係には興味深いものがあります。レオナルド・ダ・ヴィンチという題材や写実性の高い描写は新古典主義の典型的な特徴です。

アングル『ラファエロとフォルナリーナ』

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もう1枚アングルから。こちらは盛期ルネサンスラファエロが描かれています。ラファエロは古典の代表格ですね。アングルはフランスの人なんですが、イタリアへの留学を経験しており、そこでラファエルの作品を実際に鑑賞して、非常に影響を受けています。それがよく分かる作品ですね。あまり関係ありませんが、ラファエロはかなりイケメンで、トークも上手で、絵も描けるということでかなりモテていたようです。

次の時代はロマン主義

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