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長く続く組織を作るために


会社でもバンド活動でも何にでも言えることですが、組織は長く存続させたいものです。しかしながら、大部分の組織はいつの間にか消えてなくなります。組織を存続させるためにはどうすればよいのでしょうか?これについて考えてみます。

もっとも長く続いている組織:サンガ

組織を長く存続させる秘訣を知るために、もっとも長く続いている組織を参考にしてみたいと思います。そしてその組織は、仏教におけるサンガです。サンガは悟りを開くために修行する僧の集まりです。これは仏教の開祖である釈尊が始めてから今に至るまで潰れていません。つまり約2500年もの間続いているのです。何か素晴らしい秘訣があるに違いない。

サンガのことを知らない人のために、ここでざっくりと説明をしておきたいと思います。繰り返しになりますが、サンガは修行僧の集まりです。釈尊は悟りを開くためには世俗から距離を取らなければならないと考えました。なので、修行中に仕事をすることはできません。つまり食っていけないわけです。しかし、修行中に死んでしまえば元も子もありません。というわけで、修行をしながらも生活をしていくための仕組みが必要でした。それがサンガであるわけです。

ところで、サンガは修行僧から構成されるわけですが、仕事のできない修行僧が集まったところで食えるようにはなりません。ではどうするかというと、他人から食べ物をもらうのです。つまりお布施ですね。現代の日本仏教でお布施というとお金を渡すものというイメージがありますが、もともとは食べ物でした(これを言ったら怒られそうですけど、お経を唱えてお布施をもらうのは事実上の労働ですよね)。

そうは言っても、食べ物を無償でもらうなんて、そう簡単なことではありません。なので「この人になら食べ物を与えてもいい」と思わせる必要があったのです。それがサンガにおけるルールです。ルールを守って立派な生活をしていれば、外部からは素晴らしいように思えるし、食べ物もあげたくなります。

つまりサンガは、修行僧の悟りという目的を第一にしながらも、外部に対しては立派なことをしているように見せることで食べ物をもらうシステムなのです。ただ誤解しないでいただきたいのですが、「食べ物を出せ」というように強制することは絶対にしません。あくまでもご厚意でいただくのです。なので、立派に見せているとは書きましたが、実際に立派なことをしています。

サンガの対極にあるもの

サンガの重要性をよりわかりやすくするために、サンガとは逆のことをした例もあげておきます。それはオウムです。

オウムも同じように修行者のための組織を作りました。これは、ぶっちゃけ、現代の日本仏教においてはかなり画期的なことで、中にはこれを好意的に評価した学者もいるほどです。

しかし、本来の仏教のサンガと大きく異なっていた点がありました。それは、奪っていたことです。サンガはご厚意で「頂いていた」のですが、オウムは修行者に対して財産をすべて出すよう強制した、つまり「奪った」のです。結果的に、周囲から、とりわけ修行者の家族などから苦情が出ることになりました。

その後どうなったのか詳細は書きませんけど、長くは続いていません。

長く続く組織を作るポイント

さて、以上を踏まえたうえで長く続く組織を作るポイントを考えていきましょう。

サンガの重要な点として、悟りを開くという明確な目標があったこと、周囲に立派であると思わせたこと、食べ物を与えてもらっていたことの3つが指摘できると思われます。ついでに書くと、オウムの失敗は(あくまでも組織運営の話です。やったことは最悪)、周囲の評判が悪かったことと財産を奪ったことにあります。

興味深いことなのですけども、サンガは実際のところ社会の役に立っていません。というのは、修行僧が悟りを開いても、その修行僧にとってはメリットではありますが、それで社会に何か生産性があったのかと言えばないのです。全然お金にもならない。でも周囲からは立派だと言われ、食べ物が与えられているのです。

実は同じようなことになっている組織が現代にもあります。その典型的な例は大学でしょう。たとえばスーパーカミオカンデという素粒子を研究する設備があります。どっかの新聞社の記者が「これは何の役に立つのですか」とか言ったらしいですが、まあいいでしょう、「役に立たない」わけです。でも、そのスーパーカミオカンデには大量の研究費が出ています。役に立たないのにみんなお金を出したんですね。

つまり何が言いたいかというと、ある目標に向かって真剣に取り組んでいれば、その成果が役に立たないものであったとしても、人々はお金を出してくれるのです。スーパーカミオカンデで真剣に研究をする、そこからわかったことをしっかりと助けてくれた人に還元する、しっかりと魅力を伝えていく、そういう姿は役に立っていなくても立派に思えます。だから応援したくなる、いや、しなければならない。

まとめ

ポイントをまとめると、目標を掲げて真剣に取り組むことです。また、そのことをしっかりと周囲に伝えていくこと。そして絶対にやってはいけないのは、奪うことです。周囲から尊敬されるようなことをし、そしてしっかりとお願いをすれば、人々は認めてくれます。

しかしながら、ニュースを見ていると、国も企業も自分のことを第一とし、他者からいかに奪うかを考えているように思えます。本当にそれでいいのでしょうか。