美術史「後期ルネサンス(マニエリスム)」をわかりやすく

後期ルネサンス(マニエリスム)の特徴

盛期ルネサンスが過ぎると、次は後期ルネサンス(マニエリスム)がやってきます。ルネサンスの後期なので後期ルネサンスです、そのままです。

特徴は奇抜さです。対象が引き伸ばされ、さらにはグニャっとねじれていることもあります。構図もどことなく現実離れしているような空間で描かれたりもします。

気になるのは、なぜ盛期ルネサンスからこのような様式に変化したのか、という点です。これには議論があって、好意的な解釈と否定的な解釈があります。好意的に解釈すると、ルネサンスで重視された古典だけでなく精神的な表現を試みたため、となります。否定的に解釈するならば、古典から学ぶのではなく盛期ルネサンスの優れた画家の様式(イタリア語で「マニエラ」)を極端に模倣(マンネリ)した、となります。

もう1つ特徴があって、それは謎解きの要素が含まれていることです。何らかの意味を持つ記号を作品中に散らばめることで、解釈を難解にしています。これにはパトロン(後援者)の影響があります。西洋画にはキリスト教に関する作品が多いのですが、これは画家にお金を払うのが教会だからです。教会が力を持つとキリスト教に関する作品が多くなるわけです。そしてこの時代は教会ではなく、宮廷が力を持ちました。そのため宮廷という位の高い人に適した教養が必要となる難解な作品が増えます。

エル・グレコ

『トレドの背景と十字架のキリスト』

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マニエリスムではエル・グレコが非常に有名です。これはイエスの磔刑を描いたものですが、体が引き伸ばされ、そして曲がっているのがよく分かります。

エル・グレコは当時の知識人からも非難されていたようです。しかしキリスト教徒からは、信仰といった人間の内面性を上手く表現しているとして評価されていました。

ブロンズィーノ

『賢明と力』

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この寓意が用いられているため、知識がなければ理解しにくいかもしれません。寓意は、何かを伝えたいときにそれを直接表現するのではなく、別のものでほめのかすように表現する方法のことです。

本作のタイトルは『賢明と力』となっていますが、左の女性が賢明を表し、右の男性が力を表します。ちなみにこの男性はギリシア神話で有名なヘラクレスだと考えられています。

本作の寓意はまだわかりやすい方なのですが、マニエリスムにおいては非常に難解な作品が多々あり、現在でも意味がわからない作品が少なくありません。当時の人は、自分だけが分かる、というような優越感に浸っていたのかもしれませんね。

 

次の時代はバロック

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