京都の大学で学ぶことの魅力


京都大学の学生さんが「かなり努力して京大に来たけど、京都がこれほど田舎だとは思わなった。4年もここで暮らすのは苦痛かもしれない」と言っていて、言外に東大や東京の大学の方が何かと充実していたのでは?というような意味合いが込められていたのですが、個人的にちょっとショックでした。私も京都の大学を出ているんですけども、いろいろな考え方はあるでしょうが、京都が田舎なのは事実だと私は思っています。それでは、田舎である京都の大学で学ぶことにはどのような魅力があるのでしょうか。ちょっと考えてみたいと思います。

深みがある

いきなり抽象的なことになりますけど、京都には学びを深めるような環境があると思います。たしかに、京都には、東京のような遊べる場所はないでしょう。学生のように若い頃であれば、鐘がゴーンとか鳴っているところよりも、六本木みたいなところで騒いでいる方が楽しいかもしれません。その意味で、京都は簡単には理解しがたいところがあるのですけども、この簡単には理解できないところが学びを深めていってくれると思うのです。

人間の能力を決めるのは遺伝か環境か、なんて言われたりもしますが、それくらいに環境は人間に大きな影響を与えます。京都の一筋縄では理解できないような、簡単には表現できないような環境は、学んでいく過程においていい影響を与えてくれているように思われます。日本のノーベル賞受賞者の中には京都に関連する人が多いと言われますが、これも何か関係しているのかもしれません。

違った視点が得られる

日本で一番大学が多いのが東京で、大学生の4割は東京の大学に属していると言われています。また、言うまでもなく、東京は日本一の都市であるので、その東京で4年間学ぶことによりマジョリティというか主要な視点でものを見ることになります。

一方、京都は、京都府全体で考えれば大学数は大したことないのですが、京都市に限って言えばかなり大学が集中していて「学生の街」と言われることもあるのですけども、東京とは違って、文化や芸術といったところで非常に特殊な環境にあります。もちろん東京にも優れた文化や芸術はあるわけですが、どちらかと言えば経済的なところでの特徴が大きいでしょう。京都は街全体が文化や芸術といったものに包まれており、非常に特殊です。

少し乱暴な分け方かもしれませんが、東京は経済で、京都は文化と大きく考えることができるでしょう。このように考えれば、経済成長を目指す主要な視点とは違った別の視点を、京都の大学では養えると言えます。このような視点は人生を豊かにしてくれるかもしれません。

大学間提携が優れている

大学コンソーシアム京都というのがあって、京都の40近くの大学・短大が提携しています。自分が在学している大学とは別の大学の講義を受講することが可能で、興味関心に応じで幅広く学びを深めることができます。こういうのができるのは、京都という狭い場所に数多くの大学が集中しているという特殊な環境があるからでしょう。東京でも大学間提携は行われているはずですが、東京の大学全体を包括するような組織はないと思います。

余談ですが、ぶっちゃけた話、京都の大学がすべて仲がいいかというとそうでもなくて、制度としてこういう提携があるだけなんですけど。でも実際に学生は他大学の講義を受講できるわけで、大きなアドバンテージです。

また、大学組織という大きな枠組みだけでなく、学生が主体的に他大学と繋がっていくという習慣も出来上がっています。たとえば部活やサークルなどで、同じ芸術系の部活が集まって共同で展示会を開くなど、そういったことが行われています。これも東京でも行われているでしょうけども、京都の方が地理的に近いということもあって、学生は割と仲良くやっています。

まとめ

文化的に優れた環境があることや、大学が集中しているという地理から、深い学びが得られることが京都の大学で学ぶことの魅力なのかなと思います。もちろん、東京にあるものが京都にはないということが多々あるのですが、同時に京都にしかないものもあるはずで、これは当然ながら京都に来ないと得られないでしょう。その意味で、京都の大学は決して東京に劣るものではないと思われます。

ちなみに、なんでこんなことを書くのかというと、やっぱり、高校生にとって東京は魅力的に見えるであろうからです。昔は子どもが多くてお金がないので地方国公立に入れていたのが、今では少子化で1人にお金が集中する傾向があるために、全国の大学に進学できるようになっています。そうなれば、言い方は悪いでしょうけども、地味な大学よりも東京のキラキラした大学に行って、ほどよく遊んでいる方が良いように感じられるはずです。私はやりたいことがあって京都の大学に行きましたが、やりたいことがなかったならば、それにお金があったならば東京に行っただろうなと想像します。やはり東京は魅力的です。

そのように考えれば東京一極集中というのはある意味当然のことですし、それを回避するには京都という特殊性を考えることは重要なことなのかなぁと思いました。