他人にお金の稼ぎ方を教えるのは難しい


「給料が少ない!もっとお金が必要だ!」というわけで、書店に行き、お金の稼ぎ方に関する本を探す。でも書かれているのは表面的なことで、いまいちパッとしない。そういう経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。この記事ではなぜそういうパッとしない説明になってしまうのか、その理由を解説します。

説明は抽象化される

この記事を読んでいる人は、おそらく自由に日本語を運用することができるはずです。日本という経済大国の言語を自由に使えるのですから、その日本語で商談したり、講演したり、本を書いたりしてお金を稼ぐことができるでしょう。なんて言われたら、バカにするんじゃないと感じるはずです。日本語は表現するための手段に過ぎないのですから、その日本語で何を表現するのか、つまり中身の方が重要なのは言うまでもありません。

書店に並んでいるお金の稼ぎ方に関する本も同じです。お金の稼ぎ方は日本語の習得方法を教えているようなもので、どのようにお金の稼ぎ方を使うか(日本語で何を語るか)は読者が自分で考えなければなりません。ではなぜ、お金の稼ぎ方を教える人は、直接的に、そして具体的にお金の稼ぎ方を教えないのでしょうか。

お金の稼ぎ方を教える人は不特定多数を相手に教えています。本であれば、誰がその本を購入するのか、具体的な人物を想定することはできません。もちろんある程度のターゲットは絞れますが(たとえば「年収300万円のサラリーマン」などのように)、それでも読者を具体的に想像するには限界があります。読者によって能力や環境、状況などは当然違います。異なる性質を持った人々に対して普遍的に役立ちうる情報を提供しようとするならば、抽象化せざるを得ません。

仮に具体的で詳細な情報を伝えるとしましょう。これは株式投資がわかりやすいのですが、「私は、○○年○○月○○日にAという銘柄を売って大金を得ました」なんて言われても、今からそのときに戻ってAを売ることはできません。未来形であってもAを持っていない人はどうすればいいのかという話になってきます(株なら買えばいいとなりますが、能力などになってくると限界があります)。具体的すぎると自分の状況に合わせて実践することができないのです。

お金の稼ぎ方はアレンジしなければならない

お金の稼ぎ方を教える人は、不特定多数の人が共通して使えるように情報を抽象化せざるをえず、そして抽象化された情報を知った人は、自分の能力や状況などに応じて、抽象化された部分を補う、つまりアレンジしなければなりません。自分で考えるという作業をしなければならないのです。

残念ながら自分で考える習慣のない人は少なくありません。自分に関する大きなことでも、自分がしたいというようなものではなく、外部的な要因に頼ることは多いでしょう。たとえば、偏差値の高い大学に進学する、上場企業に就職する、星の多い飲食店を利用する、検索して出てきたオススメのものを購入する、などです(このような選択が必ずしも悪いわけではありませんが、行き過ぎるとお問題です)。

このような、外部的要因に頼ってしまう傾向のある人は、お金の稼ぎ方を自分なりにアレンジするのは難しいでしょう。そしてだからこそ、お金の稼ぎ方を教える人は安心して情報を公開できるのです。誰もできないのですから。

もし、具体的な情報を得たいのであれば、コンサルタントの利用が考えられます。コンサルに頼めば、一対一ですし、自分の能力や状況などに応じてアドバイスを受けることができます。ただし、それなりの情報をもらうのですから大金が必要になりますし、現役で活躍している人から情報を得るのは難しいでしょう(競合が増えるので)。一長一短です。