文系大学院入試は何が出題される?


大学によって違うといってしまえばそれまでなのですが、一応オーソドックスな試験というのがあるので、それを簡単に紹介します。基本的には、外国語、専門に関する論述、面接の3つです。

外国語

よくあるものとしては、英語、ドイツ語、フランス語あたりです。出題形式としては、長文を全部日本語に訳すものと、長文の要約を日本語で書くものの2つが多い傾向にあります。

大学入試のように細かい文法を問うようなものはあまりありません。また、大学院によっては辞書の持込を許可している場合もあり、単語をどれだけ覚えているかといった問題もないです。なので、大学院入試の外国語で問われているのは、自分の力で外国語文献を読む力が備わっているかどうか、といったところなのでしょう。

また、難易度ですが、英語に関して言うならば、たいていは大学入試とそれほど変わらないことが多いです。いわゆる難関大学と言われるような英語の入試問題をすらすらと訳せるくらいであれば、まずつまづくことはないと思われます。とりあえず力試しに大学入試向けの参考書(たとえばポレポレや基礎英文問題精講など)をやってみるとよいでしょう。

しかし、大学院入試では、専門に関する英単語を適切に訳さないといけません。専門用語については普通の辞書に載っているような意味ではなく、その分野での意味というのがあるので、大学入試の延長のつもりで勉強していると失敗するかもしれません。専門用語は専門用語として覚えておくことが必要です。

ちなみに、多くの大学院では英語、ドイツ語、フランス語あたりが出題されますが、大学院での何を研究するのかによって大きく異なります。たとえば、旧約聖書を研究するのであればヘブライ語が必要になりますし、中国に関する研究ならば漢文なども必要になります。自分が研究する分野でどの言語が必要になるのかを理解しておくことが大切です。

専門に関する論述

「○○について自由に論じよ」などのような形で出題されることが多いです。もちろん、○○には専門分野に関する事柄が入ります。大学院によって出題の傾向というのがあるので、過去問や教授の専門分野などを確認して大まかな傾向を掴んでおくと良いでしょう(大学院入試は内部生が有利と言われるのはこのためです)。

「自由に論じよ」というのは「好き勝手に書いていい」という意味ではなく、「自分で課題を設定してよい」という意味です。たとえば、「キリスト教における愛について自由に論じよ」みたいな問題であれば、「キリスト教においる愛は歴史的にどのように理解されてきたのか」とか「現代においてキリスト教の愛はどのように実践されるべきなのか」などのように、自分で自由に問いを作ります。そして、そこから論理的に話を展開していって、最後に、最初に立てた問いの答えをまとめます。

論述で見られているのは、自分で視点を設定することができるか、またその視点から自分なりに論を展開することができるか、といったところであろうと思われます。もちろん、論じる際には専門知識も必要になるのですが、これはそれほど重点は置かれないでしょう。というのは、大学院は研究をするところだからです。よく言われることですが、勉強と研究は違います。勉強は既に誰かが明らかにしたことを自分の頭にインプットすることですが、研究は誰も知らないことを明らかにしていく作業です。研究をするためには、今まで誰も考えなかった問題を設定をする力とそれを展開していく力が欠かせません。

面接

大学によって形式が異なることもあるのですが、よくあるパターンとしては2~5人程度の面接官に対して受験者1人で行うもので、時間はだいたい10~20分です。

よくある質問としては、志望動機、研究内容、修了後の進路の3つがベースとしてあり、さらにこれら3つの質問の答えに対して、面接官がより詳細にツッコんだり、確認したりする形になります。

この3つの質問の中で特に重要なのが研究内容で、これは事前に提出した研究計画書に基づいて行われることが多いです。ある意味で、研究計画書を作成する段階から面接は始まっている、と言えるかもしれません。

研究計画書には特に決まった書き方があるわけではないのですが、基本的には、研究の背景、研究の目的、研究の意義、研究の手法、参考文献などを書きます。たとえば、「今までにAとBが明らかにされていたが、両者の関係はよくわかっていないので明らかにしたい。これを明らかにすることで○○に貢献できるだろう。研究手法は△△を用いる」みたいな感じで書きます(これはあまりにも大雑把ですが)。詳しい書き方については、書店などで研究計画書に関する書籍が販売されているので、それを読むとよいでしょう。また、ネット上にも、大学教授が書き方を紹介しているページがあったりします(たとえば「荻野流研究指南(第2版)」など)。

面接で見られているのは、人柄や議論する力などだと思われます。

どうやって勉強すればいい?

大学院入試に特に決まった勉強方法があるわけではないのですが、特に重要なのは、とにかく本を読むことです。

繰り返しになりますが、大学院は研究するところであって、勉強するところではありません。研究は誰も明らかにしていないことを明らかにしなければならないので、誰かが明らかにしたことを再び主張しても意味はないわけです。つまり、研究をするためには誰がどこまでを明らかにしているのかを知る必要があるのであり、この必要を満たすためには本を読むしかありません。

基本的に、大学院入試には明確な正解は存在しません。採点者が納得できるような形で自分の意見を主張する必要があります。本を読む際に「この主張って本当に正しいのかな?違う見方もできるんじゃない?」と批判的に読んでいくと、自然と力が身に付いていくでしょう。大学受験のように短期間で頭に詰め込むような勉強ではなく、日頃から考えるクセを付けることが大切です。

まとめ

文系大学院入試では、外国語、専門に関する論述、面接の3つが行われる傾向があります。この3つには明確な正解というものがないので、自分の考えを他人が納得できるような形で表現することが大切です。そのためには、短期間で勉強しようとするのではなく、日頃から本を読み、考える習慣を付けることが欠かせません。