文系大学院入試で提出する研究計画書の書き方


大学院入試を受けるにあたって研究計画書を提出しなければなりません。これは理系は言うまでもないことですが文系でも同じです。理系の研究計画書の書き方は割とネットに転がっていますが、文系はあまりないように感じますので、ポイントをざっくりと紹介してみます。

書くべき要素

研究計画書にはいくつかの必要な要素があります。これらが含まれていないと研究計画書としてどうなのかと疑問に感じてしまう内容になってしまうので気をつけなければなりません。ざっくりあげると、

  1. 研究したいこと(研究テーマ)
  2. 研究の背景
  3. この研究が何の役に立つのか
  4. 研究の手法
  5. 参考文献

といったところになります。しかし、要点は2つしかありません。2つを意識するならば必然的に上のような要素が出てくることになります。そこで次に2つの要点を詳しくみてみましょう。

絶対に必要な2つの要素

結論から言うと、研究テーマと手法です。修士課程の入試レベルでは、この2つがしっかりと書かれてあればギリギリ合格点は貰えると思います。

1.研究テーマ

研究テーマはそのままの意味で、大学院入学後にどんな研究をしたいのかということです。

ただ、ここで注意したいのは「研究」とは何かということについてです。研究と似た言葉に「勉強」がありますが、この2つは異なります。簡単に違いを説明すると、勉強はすでに誰かが明らかにしたことを自分の頭にインプットすることで、研究はまだ誰も知らないことを明らかにして発表することです。

そしてここが大切なのですが、研究をするためには勉強が欠かせません。なぜなら、何が明らかになっていないのかを知るためには、すでに何が明らかになっているのかを知る必要があるからです。

そのため、研究テーマを書くならば、そのテーマに関して従来どういう研究がなされてきたのかを示す必要があります。これが先行研究であり、研究の背景と関わります。また、それを示す際に参考文献が必要になってきます。これによって自分の研究テーマがどこに位置するものであるのかを示すことができると同時に、どういう形で貢献できるのかも説明することができます。

2.研究の手法

何を明らかにしたいのかが決まったら、次はどうすればそれを明らかにできるのかを示す必要があります。それが研究の手法です。

文系とりわけ思想系の場合、この研究手法をどうするかがなかなか難しいところです。理系の場合は明確な研究手法が確立しているので、手法を知ってさえいれば、ある程度はそれを応用することができます。しかし、文系、思想系の場合、明確な研究手法はありません。いや、ないことはないのですけども、質的な研究はどうすれば明らかになったと言えるのかがテーマによって大きく変わってきます。なので書き方に困るわけですね。

ただ、たいていの場合は文献調査になるでしょう。そこでどの文献を研究対象として取り上げるのか、どの時代を対象とするのか、またその理由を示すことができれば、ある程度の形にはなるはずです。

コツ

研究計画書を書く際におそらく一番苦労するであろうことが研究テーマの設定でしょう。というのは、なんとなく大学院に進学したいと考える人が少なくないからです。本来は、こういう研究がしたいから大学院に進学したいとなるのですけども、そうではなくて、大学院に進学したいけど何を研究しようかなと、順番が逆になってしまっている人がいるのです。

大学院に進学する理由は人それぞれでしょうから、別にそれを否定するわけではありません。しかし、研究テーマがなければ研究計画書は書けませんし、合格もできません。とにかく研究テーマを持つ必要があるのですが、これはとにかく勉強をするしかないでしょう。研究テーマに関連する勉強の材料は論文と専門書しかありません。なので、大学図書館などを使って関連する分野の著作をあたっていきます。その中で自分の中に生じた疑問をしっかりと育てていくことが大切です。

このような作業は研究計画書だけでなく、入試でも役立ちます。どちらにせよ専門知識を持っていなければ入試でも躓くことになるので、とにかく勉強するしかありません。そして、この勉強は、分野全体をある程度は把握しなければならないのですから、かなりの時間がかかります。学部でしっかりと勉強しておけば楽ですが、やってないならば半年から1年は必要でしょう。逆に言えば、日頃から勉強して、自分なりの疑問を持っていれば、研究計画書も入試もそれほど難しいものではないはずです。

とまあ、ちょっと厳しいことも書きましたが、正直なところ、修士(博士前期)課程レベルではそんなにハイレベルな内容を求められているわけでもありません。研究計画書は必ずしも詳細に書く必要はなくて、何を明らかにしたくて、それに対してどう取り組みたいのかを明瞭に書いていれば何とかなります。最悪、細かいことについては、「入学後に決定する」とかでもOKです(もちろん研究テーマとかの重要な点を入学後に考えるとかだったら「何言ってんだ」ってなりますけど)。

それに、なんだかんだで殆どの人は、入学時に提出した研究計画書の内容を変更します。研究テーマそのものを変更する人も珍しくないので、そんな深刻に思い悩む必要もないのではないかなぁという気もします。

まとめ

何を明らかにしたいのか、それをどうやって明らかにするのかを、ざっくりとでもいいので明瞭に書いていれば、最低限の点数はもらえます。何を明らかにしたいのか、つまり研究テーマについては、日頃から勉強しておくことが大切です。