「田舎に仕事はない」は本当?


私はけっこうな田舎に住んでいます。それで、ここ最近の「田舎ブーム」の影響もあってか、引っ越ししてくる人が少ないながらもいるようです(いや、いるだけでもすごい?)。そんな中、ネットを見てると「やっぱり仕事がない」という意見が出てきます。では、本当に田舎には仕事がないのでしょうか?

田舎に仕事はある

もちろん地域によって差はあるでしょう。私が住んでいるところに関しては、引っ越しを考える人がいるくらいなのですから、田舎であるとはいえ、比較的恵まれている方であるようにも思われます。しかし、他の田舎に関しても、まったく仕事がないわけではないはずです。では、なぜ他の地域からやってきた人には仕事がないという認識をするのでしょうか。主に2つの理由が考えられます。

「自分に合った」仕事がないから

これは単純ですね。仕事自体はあるのだけど、自分の能力や対価などの条件から、自分に合った仕事がないということです。そして、「自分に合った」という言葉が省略されて「田舎には(自分に合った)仕事がない」となるのです。特にネットにおいては前提が省略された状態で書き込みがなされることが多いため、こういう事例は少なくないだろうと想像します。

一般募集されていないから

多くの人は仕事を探す際に、就活サイトや転職サイトなど、求人サイトを利用するようです。また、ハローワークのようなものを使う人もいるでしょう。要は一般募集されているものの中から仕事を探すということです。

しかし、田舎では、必ずしも一般募集されるというわけではありません。仕事があれば近所などの小さなコミュニティに属する人に回したりしているからです。つまり、仕事自体はあるのだけども、それが一般に周知される形では提示されないのです。

そのため、コミュニティに属していない人、具体的には引越しを考えている段階の人や引っ越ししてきて間もない人などには仕事がないように思えるのでしょう。

現代人の視野が狭くなっている

自分に合った仕事がないことに関しては仕方がない部分もあるのですが、一般募集されていないことに対してあまり良い想いをしない人も中にはいるようです。というのは、仕事は一般募集されるべきだという価値観が背景にあるからなのでしょう。しかし、この考え方は、現代ではよくあるものであるものの、あまり良い傾向ではないように思われます。

事業者が求人を募集する際に求人サイトやハローワークなどを利用するのは、事業者の力だけでは人を集めることが困難だからです。事業者が自力で人を集められるのであればそれに越したことはありません。なぜなら求人サイトなどを利用するには利用料がかかり、手続きなどの手間も発生するからです(ハローワークに関してはいろいろな使い方があるのでしょうが)。採用活動を効率化するためにそういったサービスを利用するだけであって、求人募集をするためにはそれらサービスを使わなければならないという決まりはありません。

しかし、おそらく大手就活サイトの影響が強いのだろうと思われますが、仕事を探す際は求人サイトを使うのが当たり前という価値観が生まれました。そして、その価値観が強くなりすぎたがために、求人募集をする事業者側にも求人サイトを使うべきと考える人が現れるまでになりました。求人サイトは、仕事をしたい人と仕事をしてくれる人を見つけたい事業者を結び付ける手段の1つでしかないのですが、それしかないと考える人が出現したわけです。

この違和感が伝わるでしょうか。例えるならば、幼い子どもが「カブトムシが欲しいからペットショップに行こう」と言うようなものです。確かにそれは間違ってはいません。しかし、カブトムシは本来自然の中にいるのだから、それは「森に行こう」ではないか、というような違和感。

求人サイトを使うこと自体は別に悪いことでも何でもありません。便利ですし、仕事を見つける上では役に立つでしょう。しかし、それしかないと考えるのは視野が狭いと言わざるを得ません。

まとめ

結論としては、程度の差はあるとはいえ、田舎にも仕事はあります。そして、「田舎に仕事はない」という言説の背景には、現代的な闇が潜んでいるのかもしれません。