ウィリアム・ホルマン・ハントの特徴と代表作


ウィリアム・ホルマン・ハント

ウィリアム・ホルマン・ハント(1827-1910年)はラファエル前派を代表するイギリスの画家です。ロンドンの商店に生まれました。生活は比較的安定していたようですが、裕福ではなかったようです。そして、ロイヤル・アカデミー付属美術学校を3回受験してようやく合格しました。ここまでは割と普通の画家です。

しかし、アカデミーの教育の在り方に不満を感じ、さらにラスキンという美術評論家の著作を読んで感化されたことから、アカデミーに反発するようになります。そして、同じような考えを持つミレイロセッティと組んでラファエル前派を結成しました。

ミレイもロセッティも何だかんだでラファエル前派から離れていってしまうのですが、ハントはずっとラファエル前派の様式を追求した唯一の人物です。ぶっちゃけ、ハントは影が薄いのですが、ラファエル前派の思想的なところにおいて、絶大な影響力を持っていたと言えるでしょう。

また、ハントは熱心なクリスチャンでした。そのため、作品にはキリスト教関連のものが多く、また現地に足を運ぶということを実践していたので、パレスチナにも訪れています。

代表的な作品

『贖罪の山羊』

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贖罪とは、字の通りなのですが、罪をあがなうことを言います。ユダヤ教では、犯してしまった罪の対価として、山羊を自然に返すということがなされていました(古代の話です)。本作は、野に放たれた贖罪としての山羊が描かれています。自然の描き方が非常に繊細で、前派らしさが出ているように思われます。

『我が英国の海岸(迷える羊)』

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羊さんがいっぱい描かれていてかわいいですね(*^^*) 羊はキリスト教では重要なモチーフで、信徒はよく羊に例えられます。ぱっと見、ただ羊がいるだけの絵にも思えるのですが、宗教的な意味も持っているわけですね。しかし、今でも解釈がわかれているのですが、もともとは、侵入してくるフランス軍に怯えるイギリス人の様子を、防衛の弱さの風刺として、描いたのではないかとも言われています。

『世の光』

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これはイエス・キリストが描かれているのですけども、色々な意味が込められていて、かなり難解な作品になっています。ヨハネの黙示録が主題となっているのですが、イエスが持つランプが7つの教会を意味しています。また、地面にあるリンゴがアダムとエヴァによる原罪を意味します。こんな感じのがたくさん詰め込まれています。

『死の影』

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これも描かれているのはイエスです。イエスは大工の息子だったらしく、この絵はその仕事をしている最中にちょっと伸びをした場面が描かれています。しかし、タイトルからわかるように、これはイエスが十字架にかけられてしまうことを表現しています。