なぜ就活には学歴フィルターがあるのか


就活において学歴フィルターが存在しているのは周知の事実でしょう。それではなぜ、企業は学歴フィルターを用いるのでしょうか。その理由をまとめてみます。

効率がいいから

一番大きいのはこれです。毎年大量の学生が応募してきます。大企業であれば尋常ではないほどに応募があります。その中から数少ない内定者を選び出さなければなりません。一人ひとりを丁寧に見ていれば、いくら時間とお金があっても足りないため、何かしら信頼できる客観的指標を用いて選別するのが現実的です。そこで用いられているのがこの学歴フィルターです。

それではなぜ学歴フィルターなのでしょうか。端的に言って、優秀な人が多いように思われるからです(実際に優秀であるかはともかくとして)。偏差値の高い大学に入るためにはそれなりに優秀でなければなりません。一般入試で合格した学生であれば、それなりの学力を有していると考えられます。また、それだけの学力を得るためには、それなりに継続して努力をしなければならず、それは仕事においても重要な能力です。最近ではAO入試などによって学力が低くても入学できると言われたりしているわけですが、それでもそれなりに要領よく振る舞わなければならないのであり、これも仕事には有効です。

もちろん、偏差値の低い大学においても優秀な人はいます。しかし、偏差値の低い大学は、悪く言えば誰でも入れるのであり、優秀でない人も多くいると考えられます。そのため、確率的に言えば、偏差値の高い大学の方が優秀である人は多いと考えられ、1つの指標として有効なのです。

このような考え方は多くの人が当たり前のようにやっています。たとえば、どうしてもほしい商品があるときに、在庫をほとんど持たない小さなお店と、在庫を豊富に持っている大きなお店、どちらに行こうと思うでしょうか。普通に考えれば、確実に手に入れられる大きなお店を選ぶでしょう。企業も同様に確実に優秀な人を雇いたいのです。ここで忘れてはならないのは、企業は自社の利益を出すために人を雇っていることです。ボランティアで雇っているのではありません。その意味で、学歴フィルターそのものが悪いわけではありません。

キーパーソンとの接点が持ちやすいから

自社に偏差値の高い大学の出身者を抱えておくと、他社や何らかの組織のキーパーソンと接点が持ちやすくなります。

キーパーソンとは、要は、決裁権を持っている人のことです。キーパーソンとなりうるような人は(なんとも言いようがないのですが)偏差値の高い大学の出身者である傾向があります。

企業は利益を求めるわけですが、効率的に利益を出すためにはキーパーソンと直接会って交渉するのが一番手っ取り早いと言えます。しかし、キーパーソンと接点を持つのはそう簡単ではありません。ですが、大学が同じであると、大学にはさまざまなネットワークがあるため、比較的関係を持ちやすいのです。もちろん大学が同じであるだけで即座に会えることは稀で、たいていは大学の同窓会や部活など、さまざまなものを経由するのですけども、こういうものを利用できるだけでアドバンテージになります。

少し話がずれますが、これは学閥とも関係するものです。最近ではあからさまに学閥を形成するところは少ないものの、伝統的な企業や組織にはあります。学閥はよく批判されますが、やはりそれなりのメリットがあるからこそ続いているわけです。東大は官僚、慶応は経済界、早稲田は政界、中央は法曹というように、大学ごとに得意分野があるのは有名ですけども、やはりそこには人間関係があり、そこと接点があることには大きな意義があります。

まとめ

学歴フィルターは企業にとって極めて合理的です。すでに触れましたが、学歴フィルターそれ自体は別に悪いものではなく、利益を求めようとするならば当然に考えられる手段でしょう。

また、学歴フィルターに引っかかる可能性のある大学の学生からすれば、学歴フィルターを理解した上で戦略を立てる必要があります。学歴フィルターがあるのがわかっているのにもかかわらず、利益を求める一企業が運営する就活サイトを使って突撃するのはちょっと知恵がないのではないでしょうか。

個人的には、いかに奪うかを考える営利企業なんかさっさと見切りをつけて、いかに与えるかを考える福祉に行ってほしいなぁなんて思ったりします。福祉はそれほど学校歴は関係ないですよ。