顎変形症の手術を受けるためには仕事を辞めないといけない?


私は顎変形症の手術を受けたことがあって、またそれをまとめた記事(【体験談】顎変形症の手術や入院の様子 - nancolu)も書きました。多くの人に読んでもらえているようで、嬉しいです。それで、「顎変形症 手術 仕事 辞める」といったキーワードからのアクセスがちょこちょこありますので、顎変形症の手術を受けるには仕事を辞めなければならないのかについて簡単に書いてみたいと思います。

ちなみに、私は大学生の頃に長期休暇を利用して手術を受けたので、仕事という観点について詳細に書くことはできません。そこで、まず、私が経験した入院や退院後の制限をまとめ、そこから仕事をしていればどのようなことが起こり得るかを考えようと思います。

結論を先に言っておくと、結局そうなるのかと言われてしまいそうですが、人による、職場による、としか言いようがないでしょう。休職できるのであればしたほうがいいかもしれません。

入院と退院後の制限

入院期間

私の場合は10日間でした。これは顎の状態や病院の治療方針などによって変わることがあって、2週間の入院になることもあれば、1か月入院する人もいるようです。入院している間に仕事をするのはまず無理だと思われます。先進的な職場や個人で仕事をしている場合は、入院中にパソコンを使って仕事をすることもできるとは思いますが、そういう人は比較的少数ですし、そもそも仕事を辞めることについて心配することもないでしょう。

運動ができない

退院後も何かと制限があります。まず、運動はできません。軽く小走りするといったことはできますが、重い物を頻繁に運んだりするのは難しいでしょう。顎はチタンプレートで固定しているとはいえ骨折しているようなものです。私の場合、1~2か月は運動できませんでした。

食事制限

顎や筋肉を切ってしまっているため、噛む力がほとんどありません。また、口が数ミリしか開かないため、大きなものは口に入りません。そのため、非常に柔らかくて、細かく刻まれたものを食べることになります。具体的には、おかゆ、お味噌汁、豆腐、ポテトサラダといったところです。術後1か月もすれば普通のお米を噛めるくらいにはなりますが、それでも堅いものは食べられません。

あと、言うまでもないことですが、刺激物はタブーです。

ついでに書いておくと、食後は歯や矯正装置に食べかすがよく溜まります。これは矯正装置を付けていれば手術に関係なく経験することではありますが、術後は口が動かしにくいことや傷口もあるので、舌でゴリゴリと掃除するのは難しいです。

輪ゴム

術後しばらくは、口が開かないようにするために、矯正装置に輪ゴムをかけて固定します。基本的には食事時を除いた24時間輪ゴムを付けなければなりません。輪ゴムの装着も慣れない内はけっこう時間がかかります。

唇は自由に動かせるので(術後しばらくは荒れているので痛いですけど)、話すことは可能です(歯を噛んで、いーをして声を出してみてください)。しかし、声はやや籠った感じになるので、相手にとってはやや聞き取りにくいかもしれません。

見た目は非常に悪くなりますが、マスクをすれば大丈夫でしょう。逆に言えばマスクは欠かせないです。

顔の腫れ

術後は顔が尋常ではないほどに腫れます。おたふくかぜよりひどいです。これは制限というよりも見た目の問題であるのですが、しかし周りからすれば心配にはなるでしょう。それに恥ずかしさというのもありますし、気になるものです。マスクは本当に欠かせません。

顔の腫れが完全に引くのは、術後約2か月です。1か月もすればかなりマシにはなっているのですが、それでも太っているようにも見えます。私は術後1か月くらいに一度マスクをせずに外を出歩いたことがあるのですが、これはたぶん気のせいではないと思うのですけども、すれ違った人が笑ったことがあるので、やっぱりマスクはかかせないかなと感じます。

顔の変化

術前と術後の顔は大きく異なります。医者からは「手術をすると顔が綺麗になりますよ」と説明を受けていて、それはいいことだとずっと思っていたのですが、綺麗になるということは少なからず顔が変化するということです。

これは本当に忘れられない経験なのですけども、手術を終え、大学の休み明けに学校に行くと、私を私として認識できない人が少なからずいました。挨拶をすると「あんた誰?」というような反応をされるわけです。

当時の私は、顔が変わるということの意味がよくわかっていなかったので、周囲には「手術をする」としか言っていなかったものですから、結果的に整形をしたのではないかと疑われることになりました。

通院

退院後も手術を受けた病院や矯正歯科には頻繁に通うことになります。どれくらいの頻度で行っていたのか記憶が曖昧なのですが、週に1回は行っていたかもしれません。

チタンプレート除去手術

術後、顎はチタンプレートで固定されています。このチタンプレートは無害であると言われているのですが、体内に異物があるのは嫌だということであれば除去することができます。先生曰く、9割が除去しているそうです。

このチタンプレートは1年以上放置していると骨や肉と結びついてしまうため、除去ができなくなります。つまり、除去するのであれば、顎変形症の手術の後1年以内に再び手術を受けなければなりません。

チタンプレート除去手術を受けることで、比較的マシではあるものの、上記のような制限が再び起こることになります(顔の変化は起こりません)。

仕事で起こり得るであろう問題と対策

ここまで入院や退院後の制限についてまとめてきましたが、これが職場においてどのような問題を引き起こすのか考えてみます。ここからは私の想像になってしまいますので、気をつけてください。また、ここに書くこと以外の問題も起こり得る可能性もあります。

入院中は仕事にならない

手術を受けてから、受ける前と同じように活動できるまでに約2か月かかります。この内、まったく仕事にならないのが入院期間中です。最低でも1週間、長ければ1か月は何も出来ないことになります。これはもうどうしようもないので、職場と相談した上で、休職や長期休暇をもらうしかないのではないでしょうか。考えられることとしては、ゴールデンウィークやお盆の休みを利用し、さらに有給などを使って休みを引き伸ばす、といったことができるかもしれません。

私の場合は10日間の入院だったわけですが、退院後すぐに仕事ができるかというと、ぶっちゃけやりたくないですね。手は問題なく動かせるのでパソコンを叩くくらいはできますが、退院後の生活をどうすればいいのかわからない、慣れていない、というのもあるので、最低でも2週間は休みをもらった方が良いのではないかという気がします。

退院後しばらくは通常の仕事はできないかも

普段どのような仕事をしているかによっても変わりますが、しばらくの間は、術前と同じような働き方は難しいかもしれません。運動はしばらくできませんので、たとえば介護職をしているのであれば、一時的に事務や車の運転(送迎)などに代えてもらうといったことが考えられるでしょうか。また、接客や営業などであれば、顔がパンパンに腫れているのと話しにくいのとで多少厳しいところがあるかもしれません。まあ、マスクをしていれば腫れはわかりませんし、話しにくいとは言っても話せないわけではないので、できなくもないでしょうけど、様子を見ながらということにはなるかと思います。

仲間やお客さんと食事がとれないかも

地味なことではあるのですが、周りと食べられるものが違うので、食べる環境が変わってくるというのは考えられると思います。仲間との食事に関しては理解を得られれば特に問題はないかと思いますが、お客さんとの食事が重要な仕事の場合は支障が出るかもしれません。そもそも食べるのが仕事である場合はちょっと厳しいものがあるかもしれませんね。

顔の変化による支障

繰り返しになりますが、私は顔が変わるということを理解していなかったために周囲にその説明ができず、結果的に私を私として認識できない人が出てしまいました。私は大学生だったため、「お疲れ~」みたいなのを言うだけの軽い関係は切ってしまえ、みたいなこともできましたが、仕事になってくると大きな問題になってくるような気がします。

社内だと、「え?あの人誰?」とか「○○さん絶対整形したよね~」とか、そういうことがひそひそと言われるとなかなか厄介ですし、また社外ではド直球に「あんた誰?担当変わったの?」みたいなことを言われるかもしれません。これは辛い。

対策としては、しっかりと説明することです。とにかく説明をすることです。病気で顎の骨を切らないといけなくて、結果的に顔も変わるだろうけど、理解してくださいね、としっかりと伝えましょう。中には伝えるべきかどうか悩むような微妙な関係の人もいると思いますが、少しでも関係のある人には伝えておいた方が無難かなという気がします。

しかし、一応言っておくと、みんながみんな認識できないわけではないようです。私の場合は、認識できる人が6割、あとの4割が認識できませんでした。この認識できる人とできない人の違いというのは、それはそれで興味があるのですが、個人差があるようです。

通院による支障

術後は頻繁に病院や矯正歯科に通いますので、もしかすると、仕事との都合によっては、早退をする必要が出てくるかもしれません。これは周囲にお願いして認めてもらうしかないでしょう。

チタンプレート除去手術による支障

やらないというのも一つの手ではあります。しかし、気になる人にとってはやはり気になりますので、上記のような問題をもう一度繰り返すことになるかもしれません。

ただ、チタンプレート除去手術は、顎変形症の手術よりも比較的楽ではあります。入院期間は多少短くなりますし、腫れや顎の動きなどの回復も早いです。顔の変化もありません(顎変形症の手術のとチタンプレート除去手術の後での変化はないという意味です)。

まとめ

休職できるのであれば休職するのが一番いいのかな、という気がします。しかし、休職するにしても、体が動かないわけではないんですよね。事務や簡単な作業であればできないことはないと思います。また、チタンプレート除去手術もするのであれば、微妙な間隔もあるので、なかなか難しいところです。さらに、休職中のお金に関しては休業補償給付は受けられませんし、傷病手当金に関しては今後保険が効かない可能性が高いこともあって何とも言えず、お金の面でも厳しいかもしれません。

仕事を辞めるかどうかの決め手は、職場に理解があるかどうかということになりそうです。長期にわたって都合を合わせるのは無理、休職も絶対無理、みたいな職場であれば仕方がない、のでしょうか、何とも言えないのですけど。

とにかく、顎変形症の手術を受けるのであれば、かなり早い段階から上司や人事に報告をして、調整してくれるかどうかを確認することです。手術を受けると同時に、通常通りに仕事をするというのは確実に無理がありますので、手術をするのであれば何らかの相談は必ずすることになるでしょう。担当医からもしっかりと説明を聞いて、自分でも説明できるようにしておくことが大切です。