同志社大学はミッションスクール?


同志社大学は関西を代表する私立大学で、多くの受験生から人気があります。しかし、中には「同志社ってキリスト教なんでしょ?布教とかされるの?」と考え、抵抗を感じる人もいるようです。それでは、同志社大学はミッションスクールなのでしょうか?

ミッションスクールとは?

ミッションスクールは割と曖昧な言葉であるのですが、だいたいは以下のような認識であることが多いでしょう。

宗教の宣布・伝道のための手段として,伝道団体(ミッション)の手によって設けられた学校。なかでもとくにキリスト教系の学校のうち,キリスト教圏以外の土地で設立・経営される学校を指すのが普通である。

(引用:ミッション・スクールとは - コトバンク

とりあえずポイントとなるのは、キリスト教の伝道を目的としていること、伝道団体によって設立された学校であることの2つがあると思われます。これに基づいて同志社大学はどうなのかを考えてみます。

同志社の設立

同志社大学の前身である同志社英学校が設立されるまでをごく簡単にまとめます。

設立者である新島襄は、当時の日本の閉塞的な空気に嫌気が差し、1864年に国禁を犯してアメリカへ渡ります。そして、偶然出会うことができたハーディー夫妻に養ってもらう形で、フィリップスアカデミー、アマースト大学、アンドーヴァー神学校をそれぞれ卒業し、宣教師となりました。

新島はアメリカンボードという宣教団体に所属し、そこから宣教師として日本に派遣されることになるのですが、その直前の意気込みを語る際に、「日本でキリスト教の学校を作りたい」と言って献金を求めました(ラットランドの演説)。新島はここで5000ドルのお金を得ています。これが同志社英学校を設立するための資金となりました。ちなみに、これは新島がお金を集めましたが、あくまでもアメリカンボードの活動の一環としてお金が集めらていることに注意しておく必要があります。

1874年、アメリカンボードから派遣された宣教師として、新島は日本に帰国します。新島の生まれは安中であったので、帰国直後は関東にいたのですが、あくまでもアメリカンボードの宣教師であるので、その指示に従ってすぐに大阪へ行きました。なぜ大阪だったのかというと、アメリカンボードは会衆派であるのですが(もともとは超教派として設立されたものの、多くの教派がどんどん脱退していき、最終的に会衆派が残った)、他教派の団体が既に関東で活動していたので、手薄となっていた関西をターゲットにしたのです。関西の中でも大阪は人口が多く、宣教の効果が大きいと考えられました。

新島は関西で宣教活動をしながら、学校設立に向けて行動していきます。当初は大阪での開校が計画されていたのですが、最後の最後で府知事から承認を得ることができませんでした。そのショックから、気分転換としてたまたま旅行していた京都で、山本覚馬と偶然出会います。山本の協力もあって、1875年現在の新島旧邸敷地に同志社英学校を設立、さらに1876年に現在の今出川校地に移転しました。ここでラットランド演説で得た5000ドルを使うのですが、このお金はアメリカンボードの資金であることは先ほども書いた通りです。

他にもいろいろと書くべきことはあるのですが、以上のことからも、新島および同志社英学校とアメリカンボードという宣教団体の関係が強いこと、そして同志社英学校はアメリカンボードがなければ設立できなかったことがわかるでしょう。これらを考えれば、同志社英学校はミッションスクールと言わざるを得ません。

現在の同志社大学はミッションスクールか?

1890年に新島は亡くなっています。新島の死後、同志社英学校とアメリカンボードの関係は非常に微妙なものになっていきました。当時の時代風潮が国粋主義的であったために、新島の後を継いだ教員たちは「アメリカから資金提供を受けているのはけしからん。独立すべきだ」と考えるようになります。そして、教員とアメリカンボードで会談をするのですが、うまく関係を維持できないという結論に達し、1896年、同志社英学校はアメリカンボードとの関係を断ちました。

資金提供を受けることができなくなったことで、当時持っていた看護学校や病院などの施設を売却しなければならなくなるなど、大変なことを経験していくのですが、1912年に専門学校令によって大学に昇格、さらに1920年には大学令によって大学になり、これが現在の同志社大学へと続いています。

というわけで、現在の同志社大学は宣教団体との関係を持っていません。同志社英学校時代のミッションスクールとしての伝統をまったく引き継いでいないことはないでしょうけども、あくまでも現在の同志社大学は宣教を目的とはしていません。キリスト教主義に基づいて教育をしてはいるが、学生にキリスト教信仰を持たせようとしているわけではないのです。そのため、ミッションスクールではないと考えるのが妥当でしょう。

また、2016年度同志社大学入学式祝辞において、当時の同志社総長であった大谷は「同志社は、キリスト教主義の学校ですが、キリスト教の伝道を目的とするミッションスクールではないのです」(メッセージ|学校法人同志社)と語っています。

まとめ

同志社英学校の設立にはアメリカンボードという宣教団体が関わっており、ミッションスクールと言うべきでありますが、現在の同志社大学は宣教団体との関係を持っておらず、宣教を目的としていないので、ミッションスクールではないと考えることができます。