大学院進学にはどんなリスクがある?


大学院の大衆化と言われる程度には大学院への進学を希望する人が多くいます。大学院ではさまざまな経験ができる貴重な場ではありますが、いろいろなリスクがあるので、進学前に考慮しておくことが大切です。では大学院進学にはどのようなリスクがあるのでしょうか?

お金の問題

大学院では何かとお金が必要になります。言うまでもないことですが、まず学費があります。学費は大学によって異なりますが、だいたいは、1年目に100万円前後、2年目は60~80万円くらいになります。博士課程まで行く場合はこれが3年ほど続きます。

ネットで「大学院 費用」などで検索すると、学費を主に書いている記事が出てくるのですが、学費以外にもお金はかかります。下宿をするのであれば家賃が必要ですし、それに食事代や光熱費などの出費も考えなければなりません。実家であっても交通費とか、多少の生活費は必要でしょう。

そして意外に忘れがちなのが教材です。学部に比べればマシではありますが、教科書を買う必要があります。また、教科書に指定されていない場合でも、必要であるならば購入しなければなりません。特に文系であれば、全集や辞書類を持っていた方がいいでしょう。これらの本は1冊で1万円近くすることも珍しくないので厄介です。

さらに、学会などへの参加もするのであれば、交通費や宿泊費といったものも必要です。

ついでに言うならば機会損失もあります。修士課程であれば2年ですが、この2年を働いていたのであれば数百万円のお給料をもらうことができたでしょう。それを失うことになります。

こんな感じで、大学院に進学すると、学費だけでなく、さまざまな出費が出てきます。「学費は何とか払えそうだ」と安心するのではなく、できる限り余裕を持っておくことが大切です。奨学金やバイトで補うことは可能ですが、奨学金は将来的に負担となるかもしれませんし、バイトをすれば研究の時間がなくなって修論に影響が出るかもしれません。心配ばかりしていてもキリがないのですが、しかし、繰り返しになりますけども、余裕を持っておくことが大切です。

大学院修了後に職があるか

大学院は研究をするところです。修士課程では学問的な研究をするためのトレーニングをし、博士課程では研究者になるためのトレーニングをします。内容は非常に専門的になるため、修士で就職するにしても、その専門性がすぐに仕事に役立つことはありません。理系であればまだ活かせるところはあるでしょうけども、文系、それも思想系になってくると、直接的に活かすのはまず無理です。そのため、残念ながら、修士であることが民間企業から評価されることはあまりないでしょう。

博士課程まで進むと、理系であっても就職先がかなり限定されてきます。ここまで行くと多くの人は研究者を志望するのでしょうが、大学院重点化政策や少子化などの影響もあって、オーバードクターが大きな問題となっています。常勤のポストに就くのは非常に難しく、非常勤ですら職がない状態になっていて、非常勤になれても給料が少なく生活していけないことも珍しくありません。

こういうわけで、大学院に進むのであれば、入学前から修了後の進路を考えておくことが大切です。明確なビジョンが描けないのであれば、あまり大学院には行かない方がいいかもしれません。

大学院修了と職業が関連するもの、たとえば法曹や臨床心理士といったものがありますが、これに関しても状況をしっかりと把握しておくことが大切です。よく言われることですが、弁護士になっても仕事がないというのは珍しくないですし、臨床心理士(最近は公認心理師もできましたね)の資格を得ても常勤で働いている人はわずかで、大部分は非常勤で働き、場合によってはバイトもするということもあります。専門職大学院や職業との関連が密接な研究科を修了しても仕事がないということは十分起こりえますので気をつけましょう。

その他

残念なことに、アカハラやパワハラといったことが起こることもあります。これが原因で鬱になり、大学院を去っていく人も珍しくないようです。これは大学院のリスクというよりも、個別の研究室とかの問題ですが、一応こういうことが起こり得ることも頭の片隅に入れていた方がいいのかもしれません。

大学院では指導教官との相性が非常に重要になりますので、研究室訪問はしておいた方がいいと思われます。

まとめ

大学院進学のリスクとしては、お金の問題と修了後の進路の2つが大きいです。大学院に進学する前から、これらのリスクにどう対応できるのかを考えるようにしましょう。