美術史「象徴主義」をわかりやすく

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象徴主義の特徴

象徴主義は19世紀後半くらいから起きた芸術運動です。印象派と並行して発達していきました。「象徴ってなに?」ってなりそうなのですが、簡単にいうと、目には見えないものを見える形にした、という感じです。

19世紀後半は、科学技術の進歩が目まぐるしく、汽車が生まれたり(ターナーが描いています)、街灯が明るくなったり(これはファン・ゴッホが)、色々な変化が起こりました。これは豊かな時代と表現することができるのですが、一部の芸術家にとっては「これ将来どうなるの?」という不安が生まれ、反発するようになりました。

結果として、心の不安や、生と死の問題、運命など形のない目には見えないものを表現しようという動きが生まれます。当然、形がないものは描きようがないので、神話や文学を借りてきて象徴的に描くことになります。これが象徴主義です。

イギリス、ラファエル前派

象徴主義の出発点とも言えるのがイギリスで起こった芸術運動であるラファエル前派です。

イギリスではロココ時代にレノルズという偉い画家が古典を重視し、ロイヤルアカデミーという美術学校を設立しています(開校は1769年)。それからずっとイギリスではラファエロを中心とした古典が重視されるのですが、19世紀中頃にロイヤルアカデミーの学生であったミレイが「こんな堅苦しいことやってられるか!」と反発し、同士を集めてグループを作ります。それがラファエル前派です。

ラファエル前派というのは「ラファエロ以前の自然を重視した表現に戻ろう」という主張を持っています。ラファエロの前に戻る、だからラファエル前派です。ラファエロとラファエルで表記がややこしいですが、これは言語による違いです(ラファエロはイタリア、ラファエルはイギリスつまり英語)。

ミレイ『オフィーリア』

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本作はラファエル前派のリーダー、ミレイの代表作です。ミレイというよりもラファエル前派を代表する作品です。これはシェイクスピアの『ハムレット』を題材にしています。

ちなみにミレイはアカデミーに対抗してラファエル前派を作ったのですが、にもかかわらずアカデミーの準会員になります。「言ってることとやってることが違う」と他のメンバーが反発したため、ラファエル前派はすぐに解散しました。

ロセッティ『プロセルピナ』

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こちらはラファエル前派の一員であったロセッティの代表作です。描かれているのはローマ神話に登場する女王。

世界各地の象徴主義

象徴主義はイギリスだけでなくヨーロッパ各地で発達しました。とりあえず代表的な画家だけ簡単に紹介したいと思います。

モロー『出現』

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モローはフランスの画家です。象徴主義を代表する画家です。本作はモローの最高傑作です。ちなみに描かれているのは聖書に登場するサロメ。

モロー『オイディプスとスフィンクス』

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モローは非常に有名な画家なのでもう一枚。これはタイトルの通り、オイディプスとスフィンクスを描いています。「朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。この生き物は何か?」のやつです、有名ですね。

シャヴァンヌ『貧しき漁夫』

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シャヴァンヌもフランスの画家です。分類するのが難しい画家なのですが、象徴主義に入れられることが多いです。

ベックリン『死の島、第1バージョン』

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ベックリンはドイツの画家です。神秘的で幻想的な作品が特徴的です。

クノップフ『スフィンクスの愛撫』

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クノップフはベルギー象徴派の代表的な画家です。

クリムト『接吻』

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クリムトはオーストリアの画家です。本当は象徴主義ではないのですが、よく象徴主義として紹介されるので、ここでも入れておきます。

1分でわかる西洋美術史の流れ(絵画メイン)