幻想的な絵画オディロン・ルドンとその代表作

オディロン・ルドン

ルドンは19世紀から20世紀にかけて活躍したフランスを代表する画家です。分類としては象徴主義になることが多いのですが、かなり独特な作風をしているので何とも言えないところがあり、特に分類させずルドンで独立させることもあります。ちなみに印象派の画家たちと同世代。

ルドンは割とお金持ちの家庭に生まれるのですが、その後すぐに里子に出され、幼少期には孤独を感じていたようです。また1886年には最初の子どもが生後6か月で亡くなり、深い悲しみを経験しました。これらの出来事はルドンの作風に大きな影響を与えていると考えられます。そのため初期の作品は暗い感じのが多いですね。しかし2人目の子どもが生まれた後は一変し、色彩豊かな作品を描いています。

ルドンの代表作

『眼=気球』

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ルドン初期の代表作です。ルドンは幼少期の頃から孤独を感じていたのですが、そんな生活をする中で「見る」ということを非常に重要視していたようです。この作品はそれが顕著ですね。タイトルに眼という言葉が入っているように、気球そのものが眼になっています。気球という少し高いところから全体を「見る」といった感じでしょうか。いろいろな解釈ができそうですが、幼少期の頃からの心理的な影響が伺えます。

ちなみに本作はたまに「呪われた絵画」的な扱いを受けることがあります。画家をバカにしているのか何なのか知りませんが、呪われているわけではありません。ルドンはすごいですよ。

『泣く蜘蛛』

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初期の作品をもう一枚。ルドンの初期はこういう系統の作品が多いです。その中でもこれはなかなか強烈なインパクトがありますね。クモに人の顔が付いていて、しかも泣いています。

嫉妬とか欲とかを表現しているのでしょうけども、そういった人間の心の奥に潜んでいるものを見せつけるような作品というのはいいですね。こういった毒も芸術の良さの1つだと思います。何の思想もない綺麗なだけの作品は芸術でもなんでもないですよ。

『目を閉じて』

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ルドンの作品において非常に重要な作品です。これは1890年に描かれているのですが、その前年に2人目の子どもが生まれています。この子どもがきっかけで、その後の作風が大きく変わるわけですね。本作はちょうどその境目になります。

今までの作品で「見る」ことや「眼」に対して執着していたのにも関わらず、本作ではタイトルにもあるように、眼を閉じています。すごい変化です。また色彩が豊かになっているのも特徴的ですね。

『仏陀』

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スゴイ変化!人間ここまで変わるのか、ってくらいに明るくなりました。仏教がこういう描かれ方をするのってなかなか珍しいですよね。優しそう。

『キュクロプス』

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これはギリシア神話が題材になっています。一つ目の巨人が美しい海のニンフ(女神みたいな感じ)に恋をするんですけども、ニンフには彼氏がいるんですね。叶わぬ恋なのに巨人は笛を吹いたりして気を引こうとするんですけども…。

この作品でも眼が特徴的ですが、でも今までの眼とは違って優し気な印象を受けます。色彩も非常に豊かで幻想的ですね。

『花の中のオフィーリア』

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これはシェークスピアの『ハムレット』が題材になっています。ハムレットのお父さんが暗殺され、お父さんの弟に王位が継承されるのですが、暗殺を知ったハムレットは怒り狂います。その豹変ぶりに嘆き悲しむ恋人のオフィーリアですが、なんと怒り狂ったハムレットは誤ってオフィーリアのお父さんを殺してしまいます。そして悲しみに耐えられなくなったオフィーリアは川で自殺。悲劇的なお話なのですが、ルドンの独自の解釈により、悲劇を美しさに昇華しています。画面右下にオフィーリアがいますが、非常に印象的な描かれ方がなされていますね。

ちなみに、ラファエル前派のミレイも同じ題材で作品を描いているのですが、本作はミレイからの影響を受けています。

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