美術史「写実主義」をわかりやすく

写実主義の特徴

ロマン主義では戦争の悲惨さや自然の力強さといったものを表現していましたが、でもそれは非日常であったり、対象を抽象的に描いたりしていました。そこで、それへの反動として、もっと日常的で現実的な絵を描こうという動きが出てきます。それが写実主義(レアリスム)です。

特に注目されたのはクルーベとミレーの2人です。写実主義が生まれた時でも新古典主義のようなアカデミックな作品が力を持っていたのですが、この2人はアカデミックなど関係なく、農民や労働者というあまりにも日常的な様子を描いたため非難を受けました。

また風景画を描くバルビゾン派というグループも生まれました。写実主義というのは人物に対していうので、厳密には写実主義とは言えないのかもしれませんが、ありのままを風景を描くという意味では写実的です。写実主義以前の風景画は、神話や歴史の象徴として描かれていたため、これは大きな変化だったのです。

写実主義の代表作

クルーベ『オルナンの埋葬』

f:id:k024:20170828192233j:plain

写実主義ではクルーベが非常に有名です。本作で描かれているのは、特に有名でもなんでもない田舎の人達のお葬式です。現代では「そうなんだぁー」で終わるのですが、当時としては、お葬式は格調高い題材で、キリスト教における有名人物などのそれでないといけませんでした。そのため普通の人を描くというのは画期的なことだったのです。本作はアカデミックな画家からめちゃくちゃに非難を受けました。

ちなみに、写実主義の前はロマン主義で、さらにその前には新古典主義があるのですが、新古典主義が消えてロマン主義が生まれ、ロマン主義が消えて写実主義が生まれるわけではありません。この3つは同じ時代に並列しています。そしてその中で最も力を持っていたのが新古典主義のアカデミックな様式でした。

ミレー『種まく人』

f:id:k024:20170828192838j:plain

種をまく農民を描いた作品です。こういう労働をしている、日常的な様子を描いた作品は今までにはありませんでした。歴史的な有名人でもなく、英雄でもなんでもない普通の人を描いています。

しかし労働をいうのをありのままに描いたことで、結果的に暗い印象を受けるのは、なんとなく複雑な感じもありますね…、特に過労がよく問題になる現代を思うと、なんというか。

コロー『モルトフォンテーヌの思い出』

f:id:k024:20170828193315j:plain

バルビゾン派の代表としてコローがいます。コローは風景画をたくさん描いているんですけども、本作はその中でも特に有名なものです。あくまでも風景を風景として描いているのが特徴です。写実主義以前の風景画は、歴史の舞台となった遺跡など、なんらかの意味のある風景を描いていました。

次の時代は印象派

1分でわかる西洋美術史の流れ(絵画メイン)