美術史「後期印象派」をわかりやすく

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後期印象派の特徴

後期印象派は印象派の後に生まれ、具体的にはセザンヌ、ゴーギャン、ゴッホの3人の時代のことをいいます。

「後期印象派」という名前から印象派の流れを継ぐ様式と考えがちなのですが、実際にはそれほど関係なく、印象派から影響を受けてる部分もあるものの、印象派を否定し、印象派を超えようとしているところもあります。後期印象派を英語にするとPost-Impressionismになるのですが、Postは「~の後」という意味の接頭辞なので注意が必要です。

これは学校の学期で考えるとわかりやすいかもしれません。2学期のことを「後期1学期」と呼ぶような感じです。2学期は明らかに1学期とは違いますが、1学期の後にある学期という意味では「後期1学期」と表現することもできるでしょう。(逆にわかりにくいかも…)

ちなみに、後期印象派は3人の巨匠の時代をいうのですが、この3人には特に共通する様式や思想はありません。方向性はそれぞれ異なります。

とりあえずこの記事では3人について簡単に触れておきたいと思います。

セザンヌ

『台所のテーブル』

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セザンヌは絵の役割について考えました。後期印象派以前の一般的な絵は、何らかの対象があって、それを絵にする、言い換えれば模倣していたわけです。セザンヌは模倣としての絵ではなく、絵を絵として成立させようとしました。そのため現実的にはあり得ない視点や構成の絵が生まれることになります。

『女性大水浴図』

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こちらはセザンヌの傑作。画面全体が調和しているのがポイント。

ゴーギャン

『黄色いキリスト』

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ゴーギャンの特徴は総合主義です。絵には大きく2つの効果があると考えられます。1つは模倣です。目に見える対象をそっくりそのまま絵にします。もう1つは内面性の表現です。目には見えないけど、宗教や神話などのストーリーや信仰といったものを描くことができます。この2つを1つにするのが総合主義です。

それの典型的なのが本作で、実際に見ることができる人物・風景とイエスの磔刑という目に見えないものを、1つの作品の中に取り入れています。

『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』

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これはゴーギャンの最高傑作です。いいですねぇ。

ゴッホ

『星月夜 糸杉と村』

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ゴッホは感情や心といった人間の内面性の表現を行いました。ゴッホというと何となく「スゴイ人」というイメージが先行しがちなのですが(実際すごいんですけど)、実はけっこう感情的に動く人で、恋愛でやらかして会社の異動を受けたり、伝道師になるも熱心すぎて教会から追い出されたり、娼婦と恋愛して家族から見放されたり、ゴーギャンと喧嘩して耳を切り落としたり、色々やっています。誰にも理解されない、そんな心のよりどころが絵画であり、絵画では好きなことが表現できたのでした。ちなみに本作は耳切事件のあとに入院していた精神病院で描かれたものです。

『おいらん』

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それからゴッホは日本が大好きでした。ゴッホにとって日本は理想的な国だったようです。

1分でわかる西洋美術史の流れ(絵画メイン)