ラファエル前派の創始者ジョン・エヴァレット・ミレイとその代表作

ジョン・エヴァレット・ミレイ

ミレイはラファエル前派を代表するイギリスの画家です。11歳の時にロイヤルアカデミー付属美術学校(イギリスで一番権威ある美術学校)を最年少で入学、16歳の時にはロイヤル・アカデミーの年次展に入賞というまさに天才です。

ロイヤルアカデミーではラファエロを中心とした古典的な教育を重視していたのですが、若いミレイはその教育に反発しました。そして、ラファエロ以前の自然な絵画を目指そう!ということでラファエル前派を結成します。

が、しかし…!

ミレイの代表作

『両親の家のキリスト』

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これは聖家族を描いたものです。中央の子どもがイエス、その隣の女性が聖母マリア。イエスの右にいるおっちゃんがお父さんのヨセフです。イエスが作業中に手を怪我し、マリアとヨセフが「大丈夫?」と声をかけているような感じですね。イエスが挙げている手をよく見ると血が出ていますが、これは十字架にかけられた際の傷(聖痕)を象徴しています。

つまり本作は宗教画であるわけですが、宗教画にはルールがあり、それに従う必要がありました。ミレイは無視したわけです。そのため神の冒涜という評価をされてしまいました。

『オフィーリア』

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ミレイの代表作。ミレイというよりもラファエル前派を象徴するような作品です。描かれているのは『ハムレット』に登場するハムレットの恋人オフィーリア。

ハムレットのお父さんが暗殺されるのですが、それを知ったハムレットは「復讐してやる!」とブチ切れます。それを見たオフィーリアは悲しみます。さらに怒り狂ったハムレットは誤ってオフィーリアのお父さんを殺害してしまいます。気が狂ったオフィーリアは小川で溺死。本作は溺死したオフィーリアが描かれています。

非常に高い評価を得たのですが、驚くべきことに、本作はロイヤルアカデミーに出品されました。ロイヤルアカデミーに反発してラファエル前派を結成したのにも関わらず、です。なんでやねん。

『グレンフィンラスのジョン・ラスキン』

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案の定ミレイはマスコミから散々に叩かれます。またミレイのよく分からない行動にウンザリしたのか、ラファエル前派から脱退する会員も現れました。

そんな中ミレイを擁護した人物がいます。それが本作のモデル、ラスキンです。マスコミがミレイを叩いた時に、ラスキンが擁護の手紙を書いたのです。それによって騒動は収まりました。

これがきっかけでミレイとラスキンはお友達になります。そこで大問題が発生。ラスキンの奥さんエフィー・グレイ(めっちゃ可愛い)がミレイと恋に落ちます。しまいには結婚。

『過ぎ去りし夢―浅瀬のサー・イサンブラス卿』

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ミレイとエフィー・グレイの結婚に関して、当初ラスキンは「エフィー・グレイが決めたのだから仕方がない」的な態度をとっていました。良い奴ですね。

そんな騒動の後に描かれたのが本作。見ての通りなのですが、人物に対して馬がめちゃくちゃデカいのが分かります。案の定ミレイは叩かれました。このときは、かつてミレイを擁護したラスキンでさえも叩いています。作品の問題もあるのでしょうが、やはり妻の一件が…?

ミレイの評判はガタ落ち。しかもこのときミレイは8人の子どもを抱えていました。お金がない。もはやラファエル前派の理念を追求することはできなくなり、大衆に受けるような作品を中心に描くことになります。

『ブラック・ブランズウィッカー』

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そんなミレイの評価を再び高めることになったのが本作『ブラック・ブランズウィッカー』。これから戦いに向かう男性と、「行かないで」と女性。

『初めてのお説教』

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『ブラック・ブランズウィッカー』が受けてからは大衆向けの作品が多くなります。その結果として子どもに関する作品が中心となります。代表的なのが本作。女の子が画面の外にいるのであろう親(?)から怒られている様子が描かれています。ちなみに本作でロイヤルアカデミー本会員へと昇格。なんでやねん。

『二度目の説教』

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本作は先ほどの続きになります。1回目は緊張している様子が見て取れましたが、2回目は完全に慣れていますね、スヤスヤと…。かわいい(*´ω`*)

『熟したさくらんぼう』

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こんなのもあります。少女が画面の外の鑑賞者をのぞき込んでいるかのようです。かわいいですね。

その後もミレイの評価はどんどん上がっていきます。今回は長くなるので紹介しませんが、肖像画などでも評価を高めました。結果的にロイヤルアカデミーの会長にも就任しています。ロイヤルアカデミーに対抗してラファエル前派を結成したのに…。

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