受動意識仮説は現代版本願ぼこりを起こしそう

私はYouTubeで大学の講義や講演会、シンポジウム、などの映像を見ることが多いのですが(もちろん各大学などの公式なチャンネルです)、関連動画のところに慶應の前野さんという受動意識仮説の動画が上がってきたので、これについて1つ。タイトルの通りなんですけども、現代版の本願ぼこりが起きそう、起きなかったらいいな、っていう記事です。

受動意識仮説

私は文学部卒のペーペーなので専門家でもなんでもないんですけど。

受動意識仮説って言葉をあまり使いたくなくて、同じようなことでもこのブログでは、その言葉を使うことなく、別の言葉を使うようにしていたんですが(「中二病についての補足とその他自己について」など)。

受動意識仮説は、自分が考えているこの意識というのは実は無意識を受動的に受け取ったものに過ぎず、自分で考えているわけではない、みたいな感じです。詳しいことは前野隆司さんのホームページに書かれています、動画もあるんですがそれの方が分かりやすいと思います。

YouTubeの関連動画に上がってたものですから、なんとなく「受動意識仮説」で検索してみたんですけども、いっぱいヒットしたんで、割と浸透しているんだなぁ、という感想がありました。

現代版本願ぼこり?

受動意識仮説は早い話が自由意志はない、ということになるんですけども、自由意志がないとなると、自分は関係ないわけですよね。自分が選択しているわけではないんだから、何をやっても許されるみたいなことになりかねないと思います。

これは浄土真宗を開いた(?)親鸞が忠告していた、本願ぼこりと似ているように思います。本願ぼこりというのは、悪人正機説と関係してくるんですけども、親鸞は「どうしようもない悪人こそ、阿弥陀仏は救ってくださるのだ」と考えました。

この「悪人」というのを変に解釈して「悪人が救われるんだったら何やってもいいじゃん!」みたいな感じで反社会的なことをやってしまう者がいると、これを本願ぼこりと言います。

ちなみに親鸞の言う「悪人」というのは煩悩具足の凡夫であって、犯罪を犯した罪人のような意味ではありません。

自由意志はない、という主張は長い歴史の中で多くの人が主張してきたことですけども、受動意識仮説というのはかなり分かりやすいので、何となく本願ぼこりのようなものが起こりそうな気がしないでもないです。

意識は無意識の総合

意識というのは無意識の総合によって生まれているようです。無意識というのは、過去の経験や育った環境であったりとか、社会常識だとか、周辺の人間関係だとか、色々な要素が含まれているのですが、これの総合が意識(自分)です。

自分で決めているわけではない、自由意志はない、とはいっても無意識というのも自分の一部であるわけです(自分の体の定義とかなってきたら面倒ですけど、例えば抜け落ちた髪は自分の体といえるのか、胃の中にある消化中の食べたものは自分の体なのか、とか)。だから、行動の責任は自分にあると思うんですけども。

無意識は変えることができる、というとまた変な、何か語弊があるような気もしますけども、無意識に取り入れるものを変えたり(環境や人間関係を変えるなど)、多くのもの、多様性を取り入れれば意識というのも変わるでしょうから。この辺にリベラルアーツのような考え方が生きてくると思うんですけども(「中二病についての補足とその他自己について」の最後の方)。

意識は幻想だとしても意識の中でしか生きれないんですし、意識を高めようとすることには価値があると思います。

前野さんの動画について

最後にちょっと余計なことを書きますけども、前野さんの動画の最後の方、笑ってしまいました。「俺の考えてることは釈迦の」のあの辺がめっちゃ面白かったです(良い意味で、非難ではないですよ)。

でも、言いたいことは分からないでもなかったけども、仏教や道教、儒教などの考え方と結論が同じ、または似ているとしても、やっぱり考え方の過程は異なりますから、その点を無視することはできないですし、そのため同一視するのは無理だと感じました。批判もあるようですね(笑)

以下、前野さんの著作です。この3冊が1つの流れになっています。

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