日本人も大好き!印象派の特徴と作品集

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日本人が大好きな絵画の1つに印象派があります。絵画は難しい、と言われることが多い中、印象派ほど人気の高いジャンルも珍しいでしょう。そんな印象派をより楽しむために、印象派の特徴とその作品を紹介します。

そもそも印象派とは?

「印象派」という言葉を聞いたことがあっても、具体的にどんな絵画なのか分からない、という人は少なくありません。そもそも印象派とは何なのでしょうか。

印象派を一言で言うならば、19世紀後半のパリを中心に流行した芸術運動です。当時のパリでは伝統的な古典を意識したアカデミー様式の絵画が絶大な権力を持っていました。このアカデミーに対抗し、新たな絵画の様式を確立しようとする運動、グループが印象派と呼ばれます。印象派を代表する人物としては、マネ、モネ、ルノワール、ピサロなどが有名です。

印象派の具体的な特徴としては、以下のようなものがあります。

  • 光の輝きや変化を追求する
  • 光をより正確に捉えるために外で制作を行う(従来は室内での制作が基本だった)
  • 絵具の質感を生かした表現方法(色彩分割、分割筆触)
  • キリスト教や神話ではなく、日常を描く

などなど。印象派という言葉はもともとはアカデミーに対抗する芸術運動やそれを行うグループを指しましたが、今では上記のような特徴を持った絵そのものを印象派(印象主義)と呼ぶことが多いです。

印象派の成立の背景にはさまざまな歴史があるのですが、細々と紹介しても小難しいので実際に作品を見てみましょう!

作品紹介

マネ『草上の昼食』

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この作品の作者であるマネは、印象派の先駆者とも呼ばれる存在で、マネの作品に影響された画家が集まったことで印象派が誕生しました。本作『草上の昼食』はそのきっかけともなった作品です。

一見したところ普通の作品のようにも思えますが、当時ではとんでもないスキャンダルになりました。なぜなら、日常における一般的な普通の女性の裸体を描いたからです。当時において女性の裸を描く場合は神話など非日常的なものの象徴として描かなければならないというルールがありました。そんな中マネはこの作品を通して、そのルールに疑問を投げかけたのです。

当然のことながら、マネはアカデミーから酷評を受け、叩かれ、スキャンダルに発展しました。しかしそのスキャンダルによって本作は有名になり、各地からマネに賛同した画家たちが集結することになります。このグループが後に印象派と呼ばれるようになります。

マネ『オランピア』

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本作もマネによる作品です。一度はサロンに入賞を果たしますが、後に娼婦を描いた作品であることが発覚し、先ほどの『草上の昼食』よりも大きなスキャンダルとなりました。

モネ『印象(日の出)』

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こちらはモネの作品です。モネと先ほどのマネ、非常に似ていますが全くの別人なので注意です。ちなみに当時においても「名前が紛らわしい」と言われていました。

本作『印象(日の出)』は印象派の名前の由来ともなった作品です。

先ほど紹介したマネの2つの作品で各地から賛同者が集結したのですが、彼らはアカデミーやサロンから完全に嫌われていました。だったら自分たちで勝手に展覧会を開けばいいじゃない、ということで、彼らは勝手に展覧会を開きます。

第一回の展覧会にてモネは本作を出品したのですが、タイトルが『日の出』と短く、その点を指摘されたため、とっさに『印象』を付けたしました。すると展覧会に来ていた批評家から「この絵からは確かに印象しか感じない」と酷評されます。これがきっかけでグループは「印象派」と呼ばれるようになりました。

モネ『ラ・グルヌイエール』

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モネの代表作であり、印象派の特徴がよく現れた作品でもあります。水面の光の反射が非常に巧みに表現されていますが、これは分割筆触という印象派技法が使われています。分割筆触というと何やら難しそうなイメージがありますが、仕組としては非常に単純です。

異なる色を混ぜ合わせると新たな色が生まれますが、分割筆触では色を混ぜることなくそのまま使います(色彩分割)。異なる色を並べて使うことで、離れて見ると、その並べられた色が混ざって見える、ということです。

例えば、青と緑を混ぜると水色になりますが、青と緑の絵具を混ぜて水色を作るのではなく、青と緑の絵具を原色のまま並べます。これを近くから見ると青と緑の異なる色ですが、距離をとって遠くから見てみると青と緑が混ざって水色に見えます。

なぜこのようなことをするのかというと、印象派では光の変化でものの見方は変わる、と考えるからです。光は空間や時間によって常に変化しています。この光の変化を絵画で表現するために、あえて色を分けているのです。

また本作は実際に現場に行って、外にキャンバスを置いて描いているのですが、これも印象派の大きな特徴です。印象派以前ではアトリエ(室内)で絵を描くのが当たり前でした。

現代では休日に公園や植物園などに行くと絵を描いている人を見かけることがありますが、ここにも印象派の影響が伺えます。

モネ『日本の橋』

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本作はモネ晩年の作品です。晩年のモネは白内障の手術によって視力がかなり低下していたのですが、かなり抽象的な作品になっています。モネは分割筆触によって光の変化を捉えることで、よりリアルな絵が描けると考えていたのですが、結果的にこの技法を追求することで抽象的になってしまいました。いやむしろ、本作においては抽象性を高めることで幻想的に描き、日本への特別な想いを表現したのかもしれません。

ルノワール『散歩道』

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こちらはルノワールの作品です。描かれているのは若い男女のカップル。デート中なのでしょうか、幸福に満ちていますね。独特のタッチにより、白いドレスの質感や、木漏れ日の影を巧みに表現しています。美しいの一言ですね。

ただやはり当時は批判もありました。本作ではあまり目立ってはいませんが、肌を見ると青っぽい斑点のようなものが見られます。これは木漏れ日を表現したものなのですが、当時の批評家の中には「肉が腐っている」という意見もありました。

ルノワール『舟遊びをする人々の昼食』

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印象派画家として有名なルノワールですが、実は印象派に疑問を持ち、古典的表現を追求する時代があります。本作はその時代における代表的なものです。よく観察してみると、輪郭や色がハッキリとしていることが分かります。

ルノワール『草原で花を摘む少女たち』

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一時は印象派から離れたルノワールですが、晩年には再び印象派の表現を追求しています。美しい草原で遊ぶ2人の少女を描いているのですが、印象派ならではの美しやさ優しさ、温かみが感じられる作品です。

ピサロ『エラニーの冬 朝、日光の効果』

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こちらはピサロの作品。マネやモネ、ルノワールと比べると日本ではあまり知名度がないようですが、印象派における重要人物で素晴らしい作品を多く残しています。

本作は早朝の雪景色を描いたもので、朝日やそれを反射する雪の輝きが巧みに表現されています。寒さが十二分に伝わってきますが、冬の厳しさというよりも、温かさが感じられますね。

印象派は誰でも楽しめる絵画!

絵画というとやはり難しそうというイメージが先行するようです。それは確かにそうでしょう。なぜなら西洋画の多くはキリスト教や神話に関係するものがテーマとなっているからです。日本にはキリスト教やギリシア神話といった文化的背景がないため、ぱっと見では一体何について描いているのか分からないことが多いです。

しかし印象派では、そういった古典的な表現から離れ、現実や日常に関する作品が多いです。そのため予備知識がなくても楽しめますし、印象派独特の表現により直感的に美しさを感じることができます。またこの記事ではあまり紹介できませんでしたが、印象派の中には日本に関係する作品も数多くあるため、日本人には親しみやすいと言えるでしょう。人気が高いのも頷けます。

絵画は見るだけでも十分楽しめますが、自分で表現してみるのも面白いです。印象派のような絵をいきなり描くのは難しいかもしれませんが、似たような表現として水彩画があります。実際に、有名な印象派画家の中には水彩画を好んでいた画家は多いです。

水彩画にはコツがありますが、コツを覚えるのはそれほど難しくなく、また一度覚えてしまえば簡単に美しい作品を描くことができます。この水彩画のコツを分かりやすく紹介している通信講座があるので興味のある人はやってみるとよいでしょう。

公式ページ:初心者でもいきなり上手に描ける、プロ直伝!水彩画講座

絵画は実際に描いてみることで初めて気づけることがあります。その気づきは絵画の上達だけでなく、絵画を鑑賞する際にも役立ちます。絵画を描くことで鑑賞の世界を広げ、鑑賞の世界を広げることで絵画の上達につなげる。このサイクルを掴むことができれば、絵画はより身近なものに感じられることでしょう。

色彩豊かな印象派画家ルノワールとその作品