芸のある芸人はテレビに出れない

芸人は面白くない?

テレビに出ている芸人が面白くないとよく言われますが、これはある意味では当然のことです。なぜならバラエティー番組などに出ているバカっぽい芸人は一般人の代表として機能しているからです。

視聴者が求めているのは面白さというよりかは共感です。そのため芸人は普通である必要があります。たとえ年収が数千万円あったとしても庶民感覚を身に付けていることをアピールしなければならず、本当は答えを知っていても「こんな問題解けねぇよ!」とリアクションしなければなりません。

テレビに出る芸人は、感覚としては学校にいる明るい奴です。目立った特徴はなく、普通なんだけども、一緒にいると何となく笑えるような、そういう友達に近い奴です。もしそのクラスにいるような奴が「全国で1位」みたいな何かを持っていると、「アイツは自分とは違うところにいるんだなぁ」と感じてしまうと思うのですが、同じようにテレビに出ている芸人がすごい奴だと見られません。

現に、しっかりとした芸を持っている人はちょろっとテレビに出るだけで、すぐに追いやられてしまいます。場合によってはドキュメンタリー番組として、芸の練習の過程を追ったりとか、そういう扱いになります。

それでは本当の意味で芸を持っている人はどこに行ったのでしょうか?早い話が、劇場とかそういう場です。芸を見るのに相応しい場、といいますか。テレビでは芸は求められていないのですから、しっかりと芸のできる人ほど、人から離れたところに行ってしまいます(テレビに出ている芸人にもスゴイ芸を持った人はいますが、テレビの中では芸を殺さなければなりません)。

日本の芸人は終わってる?

もう終わったことを蒸し返すようであれなんですけども、以前、茂木健一郎さんがツイッターで芸人を批判して炎上していました。

日本の「お笑い芸人」のメジャーだとか、大物とか言われている人たちは、国際水準のコメディアンとはかけ離れているし、本当に「終わっている」。

私としては、テレビに出ている芸人とテレビに出ていない芸人で分ける必要があると思います(もちろん単にレベルが低くてテレビに出れない人もいるでしょうけども、ここでは芸を持っている人という意味で)。

テレビに出ている芸人はあくまでも視聴者を前提としたあり方をしているため、面白くないのは必然的なことです。なのである意味では確かに終わっていると思います。しかしテレビに出ている芸人だけが日本の芸人ではありませんから、注目されてはいないけどすごい芸人はいるのであって、それは無視してはいけないと思います。

個人的にすごく好きなのは(といっても最近知ったんですけど)越前屋俵太さんです。結局テレビから外れて、今は大学教員、そして書家として活動されています。芸も鋭くて、フランスの首相エディット・クレッソンが「日本人は黄色いアリだ」と発言したことに対して、エッフェル塔の前でアリの着ぐるみを着てフランス人に「日本人は蟻ですか?」ってインタビューしたのとか。こういうのは日本のテレビ向けではないでしょう。孤独な活動だったと思います。

だからすごい芸人というのは日本にもいますし、そしてそういう人は注目されない、ということです。テレビに対しては「日本の芸人は終わってる」は正しいかもしれないけども、日本の芸人すべてをその一言で片づけるのは無理だろうと思います。

さいごに

テレビの在り方が変化しているのは事実だろうと思います。そして単に「時代が違う」で終わらせるのではなく、なぜそういう変化があるのか、という点について考えるのは大切なことだと個人的には感じています。一般人としての芸人を求めている視聴者、その背景には何らかの理由があるでしょうし、それを知ることは無駄ではないと思います。そうでもない?

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