美術界の問題児?カラヴァッジョとその作品

カラヴァッジョ

カラヴァッジョはイタリア、バロック期を代表する画家で、絵の技術だけでいえばレオナルドをも凌駕するほどの人物です。天才です。しかし天才ゆえちょっと頭がおかしいのか(?)かなり気性の荒い人物でもありました。

1週間程度で絵を完成させると街を歩いては「俺は天才画家だぁ!すげぇだろ」的なことを豪語し、気に食わないことがあれば喧嘩。どこからともなく剣を持ち出して、しまいには人を切ってしまうことも。

一度は死刑宣告を受けますが、絵画の技術があまりにも高すぎるため教皇に死刑を免除されるも、すぐに決闘を起こし、再び投獄。脱走するも捕まる。再び死刑宣告。と波乱万丈の人生を送りました。ちなみに最後は逃げてる途中に病気で倒れたと言われています。

滅茶苦茶な人物なのですが、でも技術は素晴らしく、バロック期ではトップクラスの画家です。後の画家にも多大な影響を与えており、美術史における重要性は非常に高いです。

カラヴァッジョの作品

『 病める少年バッコス』

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バッコスはギリシア・ローマ神話に登場するお酒の神です。ちなみにモデルの男性はカラヴァッジョ本人。よほどの自信があったのか(事実すごいのですが)、ちょこちょこ自分の作品に登場しています。

『エマオの晩餐』

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カラヴァッジョの代表作。復活した後のイエスと気づかず夕食を振舞う弟子が、イエスに気付いた瞬間を描いています。右側の男性は大ヤコブなのですが、両手を広げて驚いています。「イエスさんやったんかぁ!」みたいな感じでしょうか。

こういった驚きなど人間の感情的な部分を絵画に上手く表現しているのが素晴らしいですね。カラヴァッジョの特徴でもある光の表現も巧みです。

『 聖トマスの懐疑』

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受難の後、復活したイエスが弟子のトマスの前に現れるシーン。トマスはイエスが復活するなんてあり得ないと疑い、イエスが十字架にはりつけられた際の傷を確認しています。

トマスは実際に目で見て存在を確認することで信じるのですが、実際には見ることなく信じることの方が遥かに良い、というメッセージがあります。

それにしてもこのトマスの表情はすごいですね、疑いに満ちてますよ(笑)まじまじとイエスの傷口を覗いていますね。他の弟子2人も同じくすごいです。こういう表現がカラヴァッジョのすごいところですよね。

『聖マタイの召命』

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イエスがマタイを弟子に指名する瞬間を描いた作品です。右端で指をさしているのがイエスです。そしてその先で「え?オレ?」みたいな表情をしているのがマタイ。イエスの指先を照らすかのように光が差し込んでいるのが見事ですね、まるでマタイが祝福されているかのようです。このような光の表現を、カラヴァッジョは得意としました。

『聖パウロの回心』

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キリスト教の布教において重要な役割を果たしたパウロが回心する場面を描いた作品です。

パウロは元々はキリスト教を弾圧していました。そのパウロに突如天からイエスの声を聞こえ、目が見えなくなります。その後アナニアという人物の祈りにより、「サウロの目からうろこのような物が落ちて、目が見えるようにな」りました。

ちなみにこの表現は「目から鱗が落ちる」の元になっています。

まあそんなうんちくはどうでもいいのですが、絵なのに動きが感じられます。スゴイの一言です。

『イサクの犠牲』

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傑作中の傑作です。神がアブラハムの信仰を試すために、一人息子であるイサクを天に捧げさせる場面。アブラハムは戸惑いながらも神の言葉通りイサクを捧げようとしますが、その瞬間、天使が現れアブラハムを止めに入ります。

イサクの表情を見ると明らかに嫌がっていますが、聖書にはこのような記述はなく、カラヴァッジョ独自の解釈であることがわかります。

イサクの右上に羊がいますが、これがイサクの代わりの捧げられることになります。

『蜥蜴にかまれる少年』

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ちょっと真面目な作品が多くなってしまったので最後におまけ。トカゲに指をかまれて「うげぇ~!」ってなってる少年を描いた作品です。よくこんな作品描こうと思ったなぁって思っちゃいますね。シュール(笑)

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