うそ?ホント?文学部は就活に不利なのか

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就活にはさまざまな噂が存在していますが、その中でも比較的有名なのが「文学部は就活に不利」というものです。実際のところどうなのでしょうか。

統計的には何とも言えない

文学部は就活に不利だ、とはよく言われますが、統計的には何とも言えません。全国の大学の学部別就職率という統計はないので(今後出るかもしれませんが)全体としての正確な情報は分かりません。

しかし個別の大学が出している学部別の就職率を見る限りでは、文学部の就職率はそんなに突出して悪いわけではなく、でも他の学部に比べると確かにやや劣るかな、といったところです。

この記事のタイトルに「うそ?ホント?」とか入れたのですが、実際には本当に何とも言えないビミョーなところです。

とは言え「文学部は就活に不利だ」とは実際によく言われることです。なぜこのようなことが言われるのでしょうか。

そもそも大学の勉強は役に立たない

そもそも大学で学ぶことは、お金に直結しないという意味では役に立ちません。これは文学部に限らず、経済学部や法学部など、あらゆる学部においていえることです。

そもそも日本の大学はドイツ的教養を掲げています。ドイツ的教養とは、一言で言うならば、良い人格形成を意味します。現に日本の大学の多くは、建学の精神において人格に関することを述べています。良い人格を作ったところでお金にはなりません。

最近では時代の要請もあり、アメリカ的教養(良い社会人形成)が注目されるようになり、ドイツ的教養を掲げながらも、キャリアサポートを用意したり、「メディア○○学部」や「国際○○学部」のような大衆迎合的な学問が開講されるようになったりしています。しかし、たとえそのような学部学科であったとしても、やはり直接的にお金になることはないでしょう。

文学部は役に立たないとは言われますが、役に立たないという点では経済や法なども同じです。企業としても、法学部卒の人間に法務の仕事を任せたり、経済学部卒の人間に高度な経済理論をマーケティングに活かしたり、といったことは端から期待していないはずです。

役に立たない点は共通しているのに、にも関わらず文学部は就活に不利と言われる原因は一体何なのでしょうか。正確な原因は分かりませんが、考えられることを2点紹介したいと思います。

人事からの視点

採用においては、学歴(大学の偏差値)で脚切りをすることはあっても、学部で脚切りをすることはほとんどないようです。やはり大学で学んだことが仕事に直結するとは企業としても考えていないのでしょう。

しかし面接では、なぜその学部を選んだのか、大学でどのようなことを学んだのか、といった質問が行われることがあります。これは学生がどのようなことに興味があるのか、といったことを聞き出すためです。

ここで、文学部以外の学生なら、ビジネスや直接的ではなくても何か仕事に結びつきそうなことを発言することができます。しかし文学部の場合はビジネスや仕事に結びつくようなことが言えず、それが人事としては「これから働くことへの意識の欠如」のように見えてしまう可能性があります。

実際には文学部では古典などさまざまな価値観に触れるので多様な視点を持っており、これは仕事において大いに役立つのですが、文学部ではない人間にこれの重要性を限られた時間で説明するのは容易ではないでしょう。

もちろん面接では他にもさまざまな視点から質問が行われるので、その点で挽回することは十分できるはずですが、意識的に仕事への意欲を見せる必要がありそうです。

つまり早い話が、文学部生は人事から見ると、働く気があるのか分からないように見えてしまうのではないか、ということです。

文学部生の態度

そもそも文学部生が就職を望んでいないことが考えられます。古典などさまざまな文学に触れ、多様な価値観を持っていると、就職以外の道というのも意外と見えてくるものです。

中には大学院への進学を考える人もいるでしょうし、実家のお寺や教会などの宗教施設(文学部には宗教系の学科も多い)を継ぐ人もいるでしょう。アルバイトをしながら作家を目指す人もいるかもしれません。

もしかすると、就活に肯定的になれず、出遅れ、情報戦に負けてしまった、ということもあるかもしれません。

いずれにせよ、文学部生の持っている多様な価値観が就職を唯一の道だとはみなさないのでしょう。そういう意味では文学部生の人生は、ある意味ではリッチなのかもしれません。

まとめ

文学部の就職率は必ずしも悪いわけではありませんが、個別の大学が出している文学部の就職率を見ると、確かに他の学部よりもやや劣るところがあります。

しかし、それにはそもそも文学部生が就職を意識していないことなども考えられ、必ずしも文学部が不利だとは言えません。

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